研究課題/領域番号 |
20K14537
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊神 洋平 京都大学, 理学研究科, 助教 (30816020)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 宇宙風化 / 水素 / 格子欠陥 / 電子顕微鏡 / 電子分光 / 電子回折 / イオン照射損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
月や小惑星表層で観測される水の主要な起源プロセスとして、太陽風として降り注ぐ水素イオンと鉱物中の酸素との結合が提案されている。しかし、通常は鉱物に固溶しがたい水素がなぜ・どこで・どのように留まり水生成に至るのか、明確な説明はなされていない。本研究では、太陽風による何らかの照射欠陥が水生成の活性サイトとなる可能性に着目し、鉱物への水素イオン照射実験と透過型電子顕微鏡・関連分光分析を実施する。ナノ領域に潜む水素・欠陥の両者の検出を実現することで、水生成を促進する格子欠陥の存在を明らかにする。また、それらの形成過程を解明し、天体表層おける水の生成量や速度の議論に新たな定量的指針を与える。
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研究成果の概要 |
本研究では透過型電子顕微鏡と関連回折/分光分析により、鉱物中の欠陥と水素の相互作用をその構造とナノ空間分布から統合的に解析する環境を構築した。これを用いて水素イオン照射した鉱物試料を解析し、鉱物中の損傷および水生成の複合プロセスを顕微的観点で示した。これらの結果は、今後のリターンサンプル分析・解析に直接的に適用可能なものとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
月や小惑星表層で太陽風の水素と鉱物中の酸素との結合による水生成プロセスが提案されてきたが、鉱物の照射損傷過程も含めた原子レベルでの水素の蓄積・反応・水生成過程についてはよく分かっていなかった。本研究では模擬試料の電子線位置分解回折・分光に基づき、これを初めて顕微的観点からの説明を与えた。また、本研究で構築した分析技術基盤は今後のリターンサンプル分析・解析に直接的に適用可能な水準に達し、今後広く活用されていくことが期待される。
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