研究課題/領域番号 |
20K14553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 (2022-2023) 国立研究開発法人防災科学技術研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
栃本 英伍 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 研究官 (40749917)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | スプリット前線 / 温帯低気圧 / 温暖前線 / 寒冷前線 / 大雨 / 集中豪雨 / 大雨・集中豪雨 |
研究開始時の研究の概要 |
対流圏中・上層で発生するスプリット前線は、通常の温暖前線や寒冷前線とは異なる特徴を持ち、時に大雨・集中豪雨を伴う。しかしながら、温帯低気圧の内、どの程度の割合の温帯低気圧がスプリット前線を伴うのか、どの季節に生じやすいのかという気候学的な実態や、スプリット前線を伴う低気圧と伴わない低気圧の構造や環境場の違いは現在も十分に理解されていない。長期客観解析データと数値シミュレーションにより、スプリット前線を伴う温帯低気圧の気候学的実態と構造および環境場を明らかにする。続いて、温帯低気圧~スプリット前線~大雨・集中豪雨の階層構造に注目しつつ、スプリット前線に伴う大雨・集中豪雨の形成機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
長期の客観解析気象データを用いて温帯低気圧およびスプリット前線を自動検出し、スプリット前線を伴う温帯低気圧の構造や環境場を調べた結果を学術論文誌に投稿し、1回目の査読結果に対応した改定稿を投稿した。 また、線状降水帯等の集中豪雨を引き起こす温帯低気圧を客観的に抽出し、複数の顕著現象についてその特徴を調べた。温帯低気圧に伴う線状降水帯の多くは、四国から東海・関東にかけての太平洋側で多く発生していることがわかった。顕著事例について特徴を調べたところ、2020年1月と1999年10月の事例において、線状降水帯等の集合豪雨発生時にスプリット前線が形成されていることが確認された。2020年1月の事例では、対流圏中上層の寒冷前線の進行方向後方における、沿岸前線付近で豪雨が発生しており、1999年10月の事例では上対流圏中上層の寒冷前線の前面で豪雨が発生していた。これらのことから、温帯低気圧に伴う線状降水帯等の集中豪雨に関して事例によって共通点・相違点があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに得られたスプリット前線を伴う温帯低気圧の構造に関する研究成果を学術論文として投稿することができた。また、スプリット前線に伴う大雨事例の解析に着手することが出来た。これらのことから、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
線状降水帯等の大雨を引き起こす温帯低気圧の構造や環境場を、スプリット前線の観点から調査する。温帯低気圧に伴う大雨のうち、どれくらいの割合でスプリット前線を伴っているかを調査する。また、顕著事例に関しては数値シミュレーションを用いてその詳細なメカニズムを明らかにする。
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