研究課題/領域番号 |
20K14568
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宇都宮 正志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10738313)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 石灰質ナノ化石 / テフラ / 不整合 / 層序 / 海底地すべり / 前弧海盆 / 年代層序 / 黒滝不整合 / 堆積盆 / 新生代 / テクトニクス |
研究開始時の研究の概要 |
南関東は海洋プレートが沈み込むとともに島弧同士が衝突している世界で最も活動的な地域の一つである.この結果,約500万~50万年前の相模トラフ沿いでは海溝斜面盆と前弧海盆が発達し,衝突帯でも堆積盆が発達した.これら異なる堆積盆に記録された地質学的イベントの前後関係が明らかになれば,プレート沈み込みと島弧衝突テクトニクスの解明に大きく貢献できる.本研究ではテフラ層(火山灰など火山噴出物)のカタログ的記載と化学分析,及び海成層の年代決定にきわめて有効な微化石である石灰質ナノ化石によって堆積盆間の高精度対比を行い,各堆積盆が記録する地質学的イベントの前後関係を明らかにする.
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研究成果の概要 |
南関東には後期新生代にプレート沈み込みと付加作用のもとで複数の堆積盆が発達した.本研究ではテフラ層の記載と化学分析,及び石灰質ナノ化石層序の高精度化によって,前弧域の堆積盆内及び堆積盆間の層序対比を行った.その結果,前弧海盆が東西に分化する過程で320万年前の海底地すべりが生じ,「黒滝不整合」の形成に寄与したことが明らかとなった.また千倉層群と上総層群の約230万年~200万年前の年代区間でテフラ層の対比を行い,海溝斜面盆と前弧海盆が安定して成長し続けたことが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内でも最も人口密度が高い地域の一つである南関東の基盤は後期新生代の前弧域で堆積した堆積層から成る.それらの地層は陸上に露出して直接特徴と年代を調査することが可能である.地質学的な時間スケールの堆積速度の変化や構造運動,不整合の形成との関係を明らかにすることで,しばしば大規模な地震被害に見舞われてきた南関東がどのような構造運動の元に発達してきたのかを理解することにつながる.また海底地すべり堆積物の研究から活動的な海底斜面の長期的な安定性を理解する上で知見が得られると期待される.
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