研究課題/領域番号 |
20K14577
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 昌樹 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (40806402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 津波堆積物 / 鬼界アカホヤ噴火 / 火山性津波 / 大規模カルデラ / 津波シミュレーション / 火山ガラス含有率 / 火山灰降灰シミュレーション / 火山灰分析 / 火山生津波 / 火砕流シミュレーション / 火砕流 / カルデラ崩壊 |
研究開始時の研究の概要 |
約7300年前に東シナ海において発生した鬼界アカホヤ噴火では,大規模なカルデラの形成や火砕流の海域への流入に伴う海面変動により,巨大津波が発生したと考えられている.本研究では,この噴火が津波を発生させた要因とタイミングを明らかにするため,地質調査と数値計算を組み合わせて以下の流れで研究を進める:①九州地方西部と紀伊半島における掘削調査から,津波堆積物の分布域を特定する.②津波シミュレーションを行い,津波堆積物の分布を説明できる最適な津波の発生プロセスおよび規模を明らかにする.③火砕流の堆積と火山灰の降灰についても数値計算を行い,地質記録を説明可能な津波・噴火現象の時間関係を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,カルデラから遠く離れた沿岸低地で採取した堆積物コアの火山ガラス含有率分析および津波の数値計算から,7300年前の鬼界カルデラ形成噴火に伴って発生した巨大津波の発生要因を推察した.堆積物コアに見られる砂質津波堆積物の下位にこの噴火による火山ガラスが含まれていたことから,カルデラから離れた地域では津波の到達前に火山灰の降灰が始まっていたことが明らかになった.この層序関係を説明するためには,鬼界カルデラにおいて津波の発生前に火山灰が噴出する必要があることから,噴火の終盤に発生するカルデラの崩壊が津波の発生要因である可能性が高いと結論づけられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルデラを形成するような破局噴火は極めて低頻度で発生するイベントであるため,実際に観測することは難しい.本研究では,7300年前の鬼界カルデラ噴火に伴って発生した巨大津波の発生要因を,堆積物コアに含まれる津波堆積物と火山灰の層序関係および津波数値計算から明らかにした.海底火山は世界中に多く存在しており,本研究の成果は浅海域で発生する破局噴火に伴う巨大津波のリスク評価に貢献すると言える.
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