研究課題/領域番号 |
20K14597
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
大樂 武範 奥羽大学, 薬学部, 助教 (80642636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | メタロ塩基対 / DNA / RNA / Agナノ粒子 / NMR / サイクリックボルタンメトリー |
研究開始時の研究の概要 |
現在の生命システムに至るまでの過程は謎に包まれている。化学進化仮説によれば、生命誕生以前の原始地球に存在したとされる単純な化合物から、少しずつ複雑な化合物がつくられ、最初の生命の誕生につながったと考えられている。 原始地球の環境を模した検証実験において、ヌクレオチドのような構成単位からDNAやRNAが生成する過程に注目すると、現存する生命でみられるようなゲノム長の核酸分子の生成過程は未解決の難問となっている。本研究では、近年明らかになってきた核酸分子の隠れた特性である“メタロ塩基対形成”という観点から、生命誕生以前の原始地球における核酸分子の高分子量化を検証する。
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研究成果の概要 |
ヌクレオチド類のメタロ塩基対形成を介したポリヌクレオチド鎖の生成を検証する前段階として、ヌクレオシドモノマーの Ag+を介したメタロ塩基対形成について検証実験を行った。Ag+を介したメタロ塩基対形成の電気化学的解析の結果、Ag+を介したメタロ塩基対形成に伴い、Ag+が還元されにくくなるという特性があることを見出した。また、シチジン/Ag+ (2:1)錯体を化学的に還元することでAgナノ粒子が合成できることを見出した。この発見は、ヌクレオシドモノマーであるシチジンがメタロ塩基対形成を経由することで、化学反応の触媒となりうる物質であるAgナノ粒子の形成に関与できることを示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現存する生命でみられるようなゲノム長の核酸分子の生成過程は未解決の難問となっている。本研究の成果は、ヌクレオシドモノマーにおいてもメタロ塩基対形成が可能であることを示している。また、ヌクレオシドモノマーがメタロ塩基対形成を経由することで、化学反応の触媒となりうる物質であるAgナノ粒子の形成に関与できることも示唆された。このような、核酸分子の隠れた特性の解明は、生命誕生の謎を解き明かすための重要なヒントにつながることが期待される。
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