研究課題/領域番号 |
20K14599
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
李 佩瑩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00862062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 生命の起源 / リボザイム / ペプチド / 自己集合 / 自己集合ペプチド / 液-液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
初期生命がどうのように誕生したかは生物学における最も大きな謎の1つである.これまでに発見された単純な正電荷ペプチドがRNA酵素(リボザイム)の活性を促進することにより,初期生命においても単純なペプチドがRNAワールドの進化を促進した可能性を示した.本研究では,自己集合することでRNAとの結合を自己調整するペプチド配列を設計し,リボザイムの活性制御を行う.これにより,RNAとペプチドによる自己複製システムを構築し,初期生命においてペプチド・RNAの共進化がもたらした優位性を理解する.
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研究成果の概要 |
本研究では,複数分子種が存在する環境下でのRNA自己複製の実現に向けて,RNAを合成するRNA酵素(RNAポリメラーゼリボザイム)をモデル分子として用い,単純ペプチドの構造化によるリボザイム活性への影響を調べた.その結果,単純なペプチドが自己集合によりアミロイド構造を含む集合体を形成し,この集合体がRNA濃縮機能やリボザイム活性化機能を有することを発見した.さらに,その自己集合ペプチド配列を基に配列の再設計を行うことでペプチド配列および塩濃度がリボザイム活性に及ぼす影響を明らかにし,原始地球の様々な塩濃度環境下でも自己集合ペプチドがRNA区画化・リボザイム活性化をサポートした可能性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の生命では核酸やタンパク質を含む多くの分子種が協調してそのシステムを構築しているが,そのような複雑な系が如何に誕生し,進化してきたのかは生命を理解するための本質な問いである.本研究では複数分子種が存在する環境下でのRNA自己複製の実現に向けて,単純なペプチドの構造化とその機能に着目し,RNAとの共存の際にリボザイム活性にどのような影響を与えるかを明らかにした.本研究では,核酸結合性のペプチドが自己集合して構造化することが生命誕生に必須であった可能性を示し,そこからさらにより複雑な構造・機能をもったタンパク質が進化してきたことの説明にもつながる.
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