研究課題/領域番号 |
20K14609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
武末 翔吾 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (00846058)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 表面改質 / 高周波誘導加熱 / 微粒子ピーニング / 熱処理 / 窒化 / チタン / 摩擦摩耗 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,機械構造物の高性能化に伴い,使用される金属にも優れた特性が要求されている.そこで本研究では,あらゆる金属の表面を極短時間で高硬さ化させ,その耐摩耗性や疲労特性を向上できる表面処理プロセスの開発を試みる.その手法として,高周波誘導加熱と,微粒子を被処理材に高速で投射する微粒子ピーニングを援用する.本研究で得られると予想される成果は,機械構造物の高性能化や信頼性・安全性向上に寄与すると予想される.
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研究成果の概要 |
窒素雰囲気下で高周波誘導により加熱された低合金鋼SCM415に対して,純チタン微粒子を用いた微粒子ピーニングを施した.その結果,1373 Kで10 s間微粒子ピーニングを施した後,1373 Kで120 s間加熱保持を施すことにより,厚さ100~200 μmのチタン窒化物からなる硬質膜が形成された.これは,チタン粒子が被処理面に移着し,移着したチタンが処理雰囲気中の窒素と反応したためである.形成した被膜は高硬さを有するため,低合金鋼の耐摩耗性を向上させた.この耐摩耗性改善効果は高温でより顕著となった.また形成した被膜はチタン酸化物からなる保護被膜を形成するため,低合金鋼の耐食性も向上させた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
機械システムの高機能化に伴い,使用される部材にもより優れた特性が求められている.本研究では,数分の極短時間で金属材料の摺動特性や耐食性を向上できる表面改質法を提案・開発し,その効果について検討した.本研究で得られた成果は,種々の機械システムの機能性,安全性の向上に寄与できるものである.また,本研究で明らかにした高周波誘導加熱により生じる高速での元素拡散現象は,今後更なる革新的な表面改質法を開発するうえで,学術的にも有意義なものである.
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