研究課題/領域番号 |
20K14612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 弘前大学 (2022) 成蹊大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
三浦 鴻太郎 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (30846829)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 接触問題 / 関節軟骨 / 積層構造 / 多孔質材料 / 弾性論 |
研究開始時の研究の概要 |
生体軟組織の代表である関節軟骨は,関節面における摩擦の低減と力学負荷の緩和の役割を有している.また,関節軟骨は積層構造であり,間質液に満たされている組織である.そこで本研究では,関節軟骨を対象とした,積層構造を有する湿潤多孔質弾性体の押込み接触問題の理論解析に関する研究を行うことで,日常生活において様々な力学負荷を受ける生体軟組織の応力緩和機構に関して知見を与えることを目的とする.さらに,インデンテーション試験法による湿潤した多孔質材料の力学的特性評価試験法を構築するとともに,有限要素解析への応用を図る.
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研究成果の概要 |
関節軟骨の構造を想定した積層構造を有する湿潤多孔質弾性体の押込み接触問題に関する解析手法を確立した.積層構造の影響は伝達マトリックス法を用いることにより首尾よく表すことができて,実時間での解析解は数値ラプラス逆変換を適用することで求めることができた.本解析手法は,単一多孔質層の押込み接触問題を解析した過去研究の数値結果とよく一致して妥当性を確認できた.積層構造の影響を考慮した数値解析によって,積層化することで表面沈下量が変化することが確認できた.また,表面と多孔質体基礎の透水性の影響が表面沈下の進行速度に大きく影響することが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節軟骨の力学的特性を正確に表現するために湿潤多孔質弾性体としてモデル化し,基礎的な押込み接触問題に対して解析解を求めた.積層構造を考慮したこの解析解は,インデンテーション試験により関節軟骨の変性度合いや水分含有量によって変化する力学的特性を評価する実験解析に利用することができる.関節軟骨の力学的特性が正確に評価できれば,軟骨の変性疾患の早期診断等に応用できると考えている.
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