研究課題/領域番号 |
20K14631
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
林 晃生 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (50734430)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 工作機械 / びびり振動 / 剛性制御 / 安定限界線図 / 機械加工 / 振動制御 / 振動特性 |
研究開始時の研究の概要 |
切削加工時に発生するびびり振動は,製品の仕上げ面性状に大きな悪影響を及ぼす現象であり,現状では切削条件(切り込み深さまたは主軸回転数)を変更することで,びびり振動の発生を回避している.だが,この手法は加工能率が低下するため,生産現場では有効な手段とはいえない.また,びびり振動は切削振動と機械振動の共振によって発生するが,振動特性を自在に変更できる工作機械は存在しない.そこで本研究では,加工中に工作機械の剛性を変化させ,機械自体の振動特性を制御する「アクティブ剛性制御システム」を構築し,同一の切削条件下でもびびり振動を生じさせず,加工能率に影響を及ぼすことのないびびり振動の回避を実現する.
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研究成果の概要 |
加工時におけるびびり振動の発生を工作機械の剛性制御(動特性)により回避・抑制する手法の提案とシステムの開発を目的として研究を遂行した.FEMによる感度解析からモデル内の剛性パラメータを変更し、剛性制御の効果が得やすいフレームの設置位置の検討を行い、提案手法の有効性をシミュレーションにより示した.また実機において、工作機械のフレームに取り付けたブレスバーに張力を付与することで剛性を変更し、ハンマリング試験による機械動特性の変化を測定することで、これをもとに安定限界線図の推移を確認した.さらに加工実験により安定限界線図の推移からビビり振動の抑制効果を検証し、提案手法の妥当性と有効性を評価した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切削加工時に発生する「びびり振動」は製品の加工精度や表面粗さなどに悪影響をおよぼすため、これを回避するために切削条件を調整して加工されている。一方で、高速・高精度な大量生産が望まれるため切削条件の変更は望ましくないことが多く、機械側での回避手法が求められている。本研究成果により、機械自体の剛性を変更することでびびり振動を回避することができ、所望の切削条件での加工が可能となることで、工作機械メーカとしては機械に振動回避機能を付与することで新たな性能を持つ機械開発ができ、これを利用する生産現場ではさらなる製品加工の高速・高精度化が見込まれる。
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