研究課題/領域番号 |
20K14646
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 名古屋工業大学 (2022) 東京農工大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
武藤 真和 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30840615)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 血行力学 / 可視化技術 / 流体計測 / 圧力計測 / 応力計測 / 偏光計測 / 光弾性法 / 複屈折 / 脳血管障害 / 高分子 / レオロジー / 脳動脈瘤 / 光弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
日本はクモ膜下出血の発症が世界的に高く,死亡者数は毎年1万人以上を超え,その約95%は血液の応力集中による脳動脈瘤の破裂が原因である.しかし,複雑形状を有するミリスケール瘤の流体応力場を実験的に計測する手法が確立されておらず,破裂メカニズムは未解明のままである. 本研究では上述の解決に向けて,申請者の提案する二次元非定常流体応力場の光学計測手法 (課題番号: 19K23483) を,三次元非定常計測へと拡張することで「4D (3 dimension + time) 流体応力場計測システム」を構築し,脈動流により非定常変動する瘤内部の応力集中部の三次元位置を特定することを最終目標とする.
|
研究実績の概要 |
本研究では,高速度光弾性法 (課題番号: 19K23483) により脳動脈瘤モデル内の流体応力集中部の特定を目指す.「1. 位相差と応力の校正実験」,「2. 計測対象厚さの補正係数の導出」,「3. 4D流体応力場計測システムの構築」を開発基盤として,「4. 脳動脈瘤モデルの非定常流体応力場における応力集中部の特定」を達成する.昨年度までに,流体の応力光学係数を取得し (項目1と2の達成),矩形および円管流路を流れる模擬血液 (液体高分子) の位相差場計測を実現した. 当該年度では,計測した位相差場の空間強度分布と,数値解析より求めた流体応力場のそれとを比較検証した.両分布は概ね一致したが,流路中央で完全な一致を示さず,この原因究明を試みた.結果として,流体の3次元応力場を計測する本手法では,固体を計測する従来の光弾性法で考慮されていない,カメラの光軸に沿った応力成分を考慮する必要があった.そこで,高速度偏光カメラとせん断粘度計の複合計測システムを構築することで,光軸に沿った応力成分に対応する位相差を計測し,そのデータを用いて数理モデルを導出した.本数理モデルの導入により両者の空間強度分布が高い精度で一致した (武藤ら, 日本流体力学会誌ながれ, 41, 6 ,2022).よって,矩形および円管流路における4D流体応力場計測システムの構築 (項目3) を達成した. 一方,当初の計画で掲げた項目4では,血管などの複雑流路形状の計測データに本数理モデルが対応できず,流体工学に止まらない複合的な学術的・技術的課題 (屈折率楕円体や結晶高分子凝集など) が存在することが明らかになった.そこで,レオロジー,ソフトマター,機械学習の研究者との新たな研究体制を構築し,この課題の解決に向けた新たな研究課題 (課題番号: 23H01343) を計画することに至り,引き続き調査を継続する.
|