研究課題/領域番号 |
20K14649
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松永 大樹 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (40833794)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 磁性粒子 / ストークス流れ / 集団運動 / 微小流体デバイス / 磁性液滴 |
研究開始時の研究の概要 |
流体中を懸濁する磁性コロイドは外部より磁場を負荷することによりその回転を遠隔より制御することでき,この回転運動を生かした微小流体デバイス(マイクロロボット/ポンプ)の開発が近年盛んになっている.これら磁気駆動の流体デバイスを次のステージへと進めるには,多数の磁性ユニットの回転運動を外部より一括で制御しその集団としての振る舞い・集団運動をコントロールする理論体系が必要である.本研究課題では流体・磁気双極子相互作用を考慮した磁気回転子の集団回転運動を理論・数値計算両面より解析し,その集団制御の包括的な理論体系を構築する.
|
研究成果の概要 |
本研究課題では磁性を持つ微小体の集団(特に磁性液滴・磁性スイマー)が流体中に懸濁した系を考え,(1)外部磁場の条件により発生する様々な集団運動のパターンの発見を目指す,とともに(2)これらの現象を力学的観点から分析し,集団運動制御の包括的な理論体系の構築を目指した.本課題により(A)平行平板間のせん断流れ下の磁性液滴に外部磁場を印加することにより懸濁液物性・集団運動を制御できること,(B)円管ポアズイユ流れ下の磁性スイマーの集団について,磁場の条件に依り豊かな集団運動(軸集中・クラスタ形成・凝集)が現れること,を理論・数値解析の両面より明らかにできた.以上の成果を5報の国際学術誌にて発表した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流体中に懸濁した磁性体の集合に対して外部から一様磁場を印加したとき,磁性体の間には流体・磁気相互作用が同時に働くため,磁場の条件により立ち現れる集団運動モードの予測は自明ではない.本研究課題では磁性体一体の振る舞いを詳細に明らかにした上で多体問題へと系をスケールアップしたことにより,流体・磁気相互作用の両者の存在によってはじめて現れる新奇な集団運動を発見し報告するとともに,これら集団運動を制御する包括的な理論体系を構築することができた.得られた発見・理論は,機能性流体・材料としての磁性体の可能性を大きく拡張するものであり,医療応用研究も盛んな微小流体デバイスへの応用・新分野の創成が期待される.
|