研究課題/領域番号 |
20K14650
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 熊本大学 (2020) |
研究代表者 |
古免 久弥 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (80847989)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | アーク / 溶接 / 流体工学 / 可視化 / サブマージアーク溶接 / 粒子法 / スラグ / シミュレーション / アークプラズマ / 溶滴移行現象 |
研究開始時の研究の概要 |
サブマージアーク溶接は熱効率が高く,深い溶込みが得られるため大型構造物の建造に多く用いられている.近年この溶接法用にデジタル溶接電源が開発され,電流電圧波形制御による高能率な溶接が期待されている.しかしながら,サブマージアーク溶接では溶接部が粉体に覆われており,外部からその溶接現象を見ることは難しい.したがって溶接技能者はデジタル溶接電源の複雑な設定条件が溶接中の諸現象に与える影響が不明なまま最適な条件を探さなくてはならず,生産性の低下を招いている.そこで本研究ではサブマージアーク溶接現象を一挙に解く数値演算モデルを確立し,電源の各設定条件が溶接現象に与える影響を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究ではサブマージアーク溶接中のキャビティ内部を実験観察するとともに,数値演算によってこの溶接現象を予測し,溶接条件が溶接現象に与える影響を明らかにすることを目的とした.その結果,実験観察においては,低電流域のサブマージアーク溶接中の溶滴移行を直接観察することに成功した.数値演算においては,サブマージアーク溶接現象特有の溶滴移行形態を再現することに成功し,サブマージアーク溶接中に壁面移行形態が生じるためには,溶融金属に働くローレンツ力とキャビティ内の圧力が重要であることを示唆した.また溶融池上のスラグ輸送についてもモデル化し,スラグが溶融池上を輸送される際に支配的となる駆動力を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果を活用することでサブマージアーク現象の理解が進み,サブマージアーク溶接施工の高度化が期待できる.そしてサブマージアーク溶接の施工技術が高度化することで,この溶接プロセスを用いて建造される大型構造物の生産能率向上が見込める.またこの溶接プロセスは電磁流体工学や粉体工学,材料工学などを含んでいる.したがって溶接分野だけではなく,これらの工学を取り扱う他分野においても,本研究で得られた知見が共有することができるため,本研究成果は学術貢献度も高いといえる.
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