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乱流の非線形マルチスケール相互干渉による運動量・熱拡散メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K14654
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分19010:流体工学関連
研究機関芝浦工業大学 (2023)
慶應義塾大学 (2020-2022)

研究代表者

河田 卓也  芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (90867087)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード乱流 / 直接数値シミュレーション / 乱流拡散 / 乱流エネルギーカスケード / 非線形多重スケール相互作用 / 壁乱流 / 乱流熱伝達 / 非線形マルチスケール相互作用 / エネルギーカスケード / レイノルズ応力の乱流拡散 / 乱流熱拡散 / 非線形マルチスケール相互干渉
研究開始時の研究の概要

乱流では,大小様々な渦がお互いに相互干渉することにより運動量や熱の空間拡散が生じ,物体が流れから受ける摩擦抵抗や熱伝達が著しく増加する.本研究では,スーパーコンピュータによる乱流の大規模シミュレーションにより得られた流れのデータを詳細に解析する事で,上記の「乱流のマルチスケール相互作用」により運動量・熱の空間拡散が生じるメカニズムの解明を目指す.

研究実績の概要

前年度の研究で行った平面クエット乱流の大規模数値シミュレーションに基づいた解析において、乱流エネルギースペクトルの輸送方程式中に現れるスケール間輸送項をフーリエモードによって分解し、スケール間の乱流エネルギー輸送に関わる3つの波数の組み合わせを整理した結果、スケール間のエネルギー輸送は、(i)2つの比較的大きな波数における速度変動とそれらの波数の差に相当する比較的小さな波数における速度勾配の相互作用と、(ii)2つの比較的小さな波数における速度変動とそれらの波数の和に相当する比較的大きな波数における速度勾配の相互作用という2種類の相互作用によって生じることが明らかになった。本年度の研究では、昨年度までの研究において比較的低いレイノルズ数領域で行われていた乱流輸送に関する解析を、さらに高レイノルズ数壁乱流へと適用するため、、昨年度までに実施した平面クエット乱流の直接数値シミュレーションよりも高いレイノルズ数における平面クエット乱流のシミュレーションを試みるとともに、基本的な壁乱流よりも複雑な乱流場においても乱流輸送に関する解析を行うため、バックステップ乱流や円柱後流乱流の直接数値シミュレーションの実施に取り組んだ。

平面クエット乱流では、これまでの計算が摩擦レイノルズ数120程度であったのに対し、摩擦レイノルズ数250, 500, 1000程度の計算を試み、それぞれの計算において定常状態に達したことを確認しており、今後はさらに詳しい乱流輸送に関する解析を行う予定である。また、バックステップ乱流や円柱後流乱流に関しても、直接数値シミュレーションを行うためのFourtranコードを作成し、予備計算においてベンチマークと比較して良好な結果を得ており、今後、それぞれの流れにおいて乱流拡散やエネルギーカスケード過程において詳細な解析に取り掛かる基盤を構築することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により参加予定だった国際学会・国内学会がキャンセル・オンライン開催となったことで予定していた予算が一部執行できず、研究補助期間をさらに一年延長したが、これまでの研究活動により、当初の狙い通り乱流のスケール間非線形相互作用により生じるエネルギー輸送・熱輸送に関して詳細な解析を行うことができた他、これまでの研究で確立した解析手法をさらに複雑な乱流場におけるエネルギー・熱輸送現象に適用するべく、バックステップ乱流や円柱後流乱流など、これまでに主に取り組んできた基礎的な壁乱流以外の乱流場のシミュレーションの準備も進めることができた。今後はこのような複雑乱流場における輸送現象のメカニズム解明に向けて有意義な知見が得られると期待できる。

以上の理由により、研究の進捗状況は概ね順調であると判断する。

今後の研究の推進方策

前年度に行った乱流エネルギーのスケール間輸送に関する詳細な解析を、さらに高レイノルズ数平面クエット乱流や、バックステップ乱流・円柱後流といった、さらにレイノルズ数、産業応用に近い複雑乱流場に適用し、その様な乱流場における乱流輸送メカニズムの解明に取り組む。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Spectral analysis on dissimilarity between turbulent momentum and heat transfers in plane Couette turbulence2022

    • 著者名/発表者名
      Kawata T.、Tsukahara T.
    • 雑誌名

      Physics of Fluids

      巻: 34 号: 7 ページ: 075135-075135

    • DOI

      10.1063/5.0094659

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spectral Analysis on Transport Budgets of Turbulent Heat Fluxes in Plane Couette Turbulence2022

    • 著者名/発表者名
      Kawata Takuya、Tsukahara Takahiro
    • 雑誌名

      Energies

      巻: 15 号: 14 ページ: 5258-5258

    • DOI

      10.3390/en15145258

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scale interactions in turbulent plane Couette flows in minimal domains2021

    • 著者名/発表者名
      Kawata Takuya、Tsukahara Takahiro
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Mechanics

      巻: 911

    • DOI

      10.1017/jfm.2020.1063

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 平面クエット乱流におけるFourierモードtriad interactionによるスケール間エネルギー輸送2023

    • 著者名/発表者名
      河田卓也、塚原隆裕
    • 学会等名
      流体力学会年会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Forward and Inverse interscale energy transports in a turbulent plane Couette flow2023

    • 著者名/発表者名
      河田卓也
    • 学会等名
      The 67th Workshop on Investigation and Control of Transition to Turbulence(第67回「乱流の解明と制御」研究会)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 平面クエット乱流における多重スケール相互作用による乱流エネルギー輸送2022

    • 著者名/発表者名
      河田卓也
    • 学会等名
      流体力学会年会2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 低Re回転平面クエット流れにおける粘弾性不安定性2020

    • 著者名/発表者名
      仁村 友洋,徐 之霊,河田 卓也,塚原 隆裕
    • 学会等名
      日本流体力学会年会2020
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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