研究課題/領域番号 |
20K14662
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松浦 弘明 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員 (50847994)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | バイオ熱工学 / 誘電分光 / 水分子ダイナミクス / 細胞凍結保存 / 凍結保護物質 |
研究開始時の研究の概要 |
再生医療等に欠かせない技術である細胞の凍結保存では, 致死的となる細胞内の氷晶生成を防ぐために凍結保護物質が用いられるが, その保護メカニズムについては未解明な点も多く, 凍結保存プロセスは最適化されていない. 本研究では, 細胞内凍結に関係していると考えられる細胞内の水分子ダイナミクスを誘電分光によって測定することで, 細胞凍結保護のメカニズム解明に役立つ知見を獲得し, 安全で環境親和性が高い保護物質を用いたグリーンな凍結保存技術のデザインに寄与することを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では細胞内の水分子ダイナミクスに着目し, これを誘電分光を用いて測定した.まず細胞懸濁液の誘電スペクトルの取得に適した実験装置を構築し, また細胞のスペクトルの解析により水分子ダイナミクスを反映する誘電緩和時間を評価する手法を確立した. この手法を用いて, 浸透圧の異なるスクロース水溶液に懸濁させた細胞について行った測定では, 細胞脱水による細胞内水分子ダイナミクスの分布の変化が明らかになった. また, -39°Cまでの氷点下における測定では, 細胞内外の凍結による誘電スペクトルの変化等が観察された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で着目した細胞内の水分子ダイナミクスは, 細胞内の氷の核生成頻度に関連していると考えられ, その実験的な評価手法の整備により, 様々な現象が関わる複雑な細胞凍結保存プロセスについての理解につながりうるという学術的意義に加えて, 細胞内の水分子ダイナミクスを指針の一つとして細胞凍結保存プロセスの効率化が実現されれば, 細胞の凍結保存が不可欠な再生医療や免疫療法, 不妊治療等の拡がりに寄与しうるという社会的意義を有する.
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