研究課題/領域番号 |
20K14664
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
堀 琢磨 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50791513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 熱伝導率 / シリコン薄膜 / 熱電変換 / フォノン輸送 / 熱伝導 / エネルギー変換 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノスケールの構造を作ることで性能が向上または発現する熱伝導デバイスの構造最適化を目的とする.例えば熱電変換素子において,熱伝導率が低く電気伝導率が高いほど性能が上がるため,これらの両者のキャリアの輸送にとって最適なナノ構造を見つけ出すシミュレーション手法を構築する.またシミュレーションをより簡潔かつ現実を良く再現可能な手法に発展させ,様々な形状のナノ構造における性能の最適化を行う.以上に加え,熱ダイオード等の新奇熱伝導デバイスにも開発した手法を応用し,実際のデバイスの設計に貢献する.
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研究成果の概要 |
ナノ構造化シリコン薄膜の最適な熱伝導率を探索する手法を開発した.この方法では,フォノンレイトレーシング法と焼きなまし法を組み合わせて最適化を行う.具体的には,構造を徐々に変化させ,レイトレーシング法で求めた平均自由行程(熱伝導率の決定因子)がより最適に近い場合と,局所最適解を回避するため不利な構造の場合も確率に応じて採用する. 開発した手法の妥当性は,力任せ探索によって得られた最適構造の結果と一致したことから,確認できた.また,焼きなまし法におけるパラメータが予測される最適構造に与える影響を検証することで,より効率的な最適化が実現できることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シリコンは資源としての豊富さや無毒性などの長所を持つことから,様々なデバイスに利用されている.一方で,熱電変換材料としてはその高い熱伝導率に起因した低い変換効率が課題となっている.そうした中で,本研究では熱伝導率を下げる最適ナノ構造の探索方法を開発したため,デバイスの進歩に直接的に貢献することを期待する.同時に,熱電変換材料だけにとどまらず,開発した手法は様々な場面に際して応用可能であると考える.また,「ナノ構造中の熱輸送にとって決定的に重要な要素は何か」といった学術の基礎的理解を追求する研究を応用の観点から刺激する作用も期待できる.
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