研究課題/領域番号 |
20K14675
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
坂本 勇樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50845774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | キャビテーション / 気泡崩壊 / レーザー / 水素 / 液体水素 |
研究開始時の研究の概要 |
水素社会の実現へ向けて,高エネルギー密度の液体水素の利活用が促進されているが,-253℃の極低温流体であることや爆発性を有することなどが安全利用に向けた喫緊の課題である.これまでに自着火に至らない低温状態の液体水素と液体酸素,もしくは液体水素と液体空気の混合によって,着火現象を引き起こすことがわかっているが,本現象の原因は未解明である. 本研究では,極低温流体中の気泡崩壊による局所的なエネルギーが起点となって自着火温度以下でも着火現象が生じていると仮定し,本現象を実験的に実証する.さらに着火に至るメカニズムについても解明することで,安全な液体水素利用に貢献する.
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研究成果の概要 |
大気環境下で液体水素送液配管が瞬時に切り離され,水素が外部に放出されると同時に,液体水素温度の物質表面が露出し液体空気が生成される場合,特定の条件下において爆発現象を誘発することが確認されている.本研究では液体空気の落下に伴い,液体空気中の気泡が断熱圧縮された時の局所的な高温場が爆発現象を誘起していると推定し,実験的に現象解明に取り組んだ.液体窒素中にヘリウムガスを導入すると同時に,液中に設置したアルミターゲットにレーザーを照射しキャビテーションおよび圧力波を発生させることで,水素酸素混合気の着火温度程度までヘリウムガス気泡を収縮可能な見込みを得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素社会実現には大規模水素サプライチェーン構築が必須であり,密度の面で有利である液体水素による運搬・貯蔵に対するニーズがますます高まっている.本研究では,特定の条件下で液体水素が大気に漏洩した際の着火・爆発する現象のメカニズム解明に取り組んだ.これまでの実験結果では,爆発現象の再現には至っていないものの,液体窒素とヘリウムガスを用いた試験から,圧力波により極低温流体中の気泡内部温度が着火温度程度まで上昇する収縮が得られる可能性が示されており,本研究は液体水素のさらなる安全利用に資する.
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