研究課題/領域番号 |
20K14678
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三好 智也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (90809641)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 液晶 / グラフェン / 環境発電 / エネルギーハーベスティング |
研究開始時の研究の概要 |
振動や温度差など周囲の環境から電力を取り出して無線センサネットワークなどに有効活用する環境発電技術が注目されているが,発電出力の小ささが大きな課題となっている. その中で機能性液体として液晶を用いることによる高出力環境振動発電用途が台頭してきており,振動や温度変化など外部刺激に対する高い電気的応答性が液晶材料に求められている. そこで本研究では,グラフェンドーピングによる巨大な誘電特性や外場との相互作用による物性制御の可能性に着目し,大出力の環境発電の実現に資するグラフェンと液晶のダイナミクスを解明する.
|
研究実績の概要 |
2022年度は主に,高出力環境発電デバイス実現に資するグラフェンと液晶のダイナミクス解明のための、液晶発電評価デバイスの設計・試作について検討を行った。 環境発電の中で、特に液晶の振動発電応用のためには、外部場が存在する状態で動作流体として液晶が流動するときの、液晶の分子配向の動的な応答と液晶材料の誘電特性を評価することが大きな課題である。一般に液晶とグラフェンは共に電場・磁場に対する感度が高く、グラフェンの特異な反強磁性による液晶の誘電特性の著しい改善を本研究では目指している。その中で、液晶・グラフェン分散系の振動流に対して、電場・磁場の外部場を印加した時の偏光観察と電気的特性計測を同時に行う必要がある。そのため、高アスペクト比側壁電極を特徴とするシリコンマイクロ流路デバイスを設計・製作した。シリコン深掘りエッチングによって高アスペクト比を実現した流路側壁によって、高強度の磁場印加と電場印加を行いつつ、外部場と流れ方向の両者から垂直な方向からの光学観察を同時に可能とする液晶計測を実現する。現在は、製作した高アスペクト比シリコンマイクロ流路デバイスを用いた液晶・グラフェン分散系の実験・解析を進めている。 また、新規液晶を用いた振動発電デバイスについて米国の研究グループと共同でプロジェクトを進め、研究コンセプトを国際コンペに応募し、コンセプト検証のための発電実験結果を得た。 情報公開に関する規約により、新規液晶を用いた振動発電デバイスの詳細については次年度に報告する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初目的としていた課題について、解析モデルの構築と、実験系の構築に成功している。しか し、系統的な実験結果整理は未だ進行中であり、学会発表や論文公表などに至れていないため「やや遅れている」を選択した.
|
今後の研究の推進方策 |
速やかに開発した計測デバイスを用いて実験を行い、実験データの解析を行う。その成果を国際学会やジャーナルで成果発表を行う。 また、新規液晶を用いた環境発電デバイスについて米国の研究グループと共同プロジェクトの成果については、成果公表可能になり次第、学会・ジャーナルに向けて作業を進めていく。
|