研究課題/領域番号 |
20K14699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山野 彰夫 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90844184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バイオミメティクス / 局所フィードバック / 自励振動 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
センチュウが流体の粘度に応じてうねり運動を変化させる適応運動に基づき,うねり駆動を用いた推進体が水中から泥水中まで最適な泳動を実現させる駆動方法の設計を試みる.適応運動を実現する制御方法について水中から泥水中まで最適な運動を実現する制御パラメータを探索する.実験により推進速度の向上・消費電力の低減が図れるかを確認する. 最適な泳動を探索する必要がある.実験モデルを用いて水中および泥水を模した高粘度の潤滑油中で泳動のデータを取得し,計測された運動を再現するような数値解析モデルを構築し最適化計算により最適な泳動を探索する.最適な泳動を実現する制御パラメータを設計し実験により有効性を評価する.
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研究成果の概要 |
水中・潤滑油I・潤滑油IIの各粘性流体中で泳動実験を行い,推進体に作用する流体力を同定することで,実験結果を再現する数値解析モデルを構築した.次に,実験で用いた各粘性流体中において,各関節に位相をずらした正弦波トルクを入力する条件のもと,消費電力および推進速度を評価関数とするトレードオフ関係を算出した.うねり運動の波長において,流体の粘度が大きくなると泳動形態の波長が小さくなる傾向が確認された.流体の粘度に応じて適切な泳動形態を実現させる適応運動については,実験モデルにおいて運動の生成に成功しており,今後は,自励発振を用いた適応運動の制御パラメータの探索を試みる予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
泳動の最適化およびモデルベース制御において,計算コストの小さい数値解析モデルは有用である.提案手法は,計測された挙動より推進体に作用する流体力を同定するものであり,様々な粘性流体中を泳動する複雑な断面を有する推進体においても,数値解析モデルを構築することが容易になる.また,うねり運動により接線方向の抗力が増大する現象が実験的に確認できた. 最適化計算では,流体の粘度の増加と共に位相差が増加する傾向が確認された.高粘性流体ではうねり泳動の波長の小さい方が推進効率が高いことを示しており,生物のセンチュウにおいても同様の運動が観察されている.適応運動の意義の解明の助けになると考えられる.
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