研究課題/領域番号 |
20K14704
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
野田 幸矢 福島工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (60803278)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 遊星歯車 / 振動 / バックドライブ / 遊星歯車減速装置 / 加振 / 遊星ギヤ |
研究開始時の研究の概要 |
人と産業用ロボットが協調作業する状況では,状況に応じロボットの関節を外からの力で逆回転(以下:バックドライブ)させる機能が切り替えられる方が良い.一般的にはセンサ等を用い疑似的にバックドライブさせるが,システムが複雑化し信頼性に問題が生じる.申請者はロボットの関節によく用いられる遊星ギヤ減速機構に振動を加えたときのみバックドライブする技術を世界で初めて開発した.しかし,現時点では試行錯誤的に設計条件を調整し,バックドライブする条件が不明である.そこで,本研究では遊星ギヤのバックドライブ切り替え可能にするための設計条件を明らかにする.本技術は作業用ロボットや介護用ロボットへの展開が期待できる.
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研究成果の概要 |
歯車の効率に関する理論をもとに静力学解析を行い,バックドライブしにくい条件が固定ギヤと出力ギヤの歯数差に依存することが分かった.さらに動力学モデルを解析した結果,以下のことが明らかになった.(1)終端速度に関しては,固定ギヤと出力ギヤの歯数差が小さく歯面の動摩擦係数が大きいほど存在しうる.今回開発した実験装置では,前述の歯数差を1としても加速し続ける.(2)印加される荷重,加振周波数,振幅が増大するほど必要な加振力は増大する.よって,(2)の結果に関して提案した動力学モデルが妥当か加振力を推定したところ,推定した加振力の結果は動力学モデルの結果とおよそ一致した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遊星ギヤに関して効率を理論的に求める試みはこれまで多く行われてきた.しかし,遊星ギヤにおいてバックドライブ不可能なことに着目した研究がこれまでほとんどない.したがって,「バックドライブ切り替えに適する加振素子」を解明することは極めて独自性の高い試みである.この研究成果により,将来的にはロボット用しなやかさ切り替えシステムの信頼性を既存技術より向上させられる.こうした技術は以下のような社会への応用が期待できる.・通常時にはエネルギを節約し,非常時にはバックドライブさせることができる工場での産業用ロボット.・介護分野において,介護をアシストするロボット
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