研究課題/領域番号 |
20K14725
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2021-2022) 早稲田大学 (2020) |
研究代表者 |
小林 宏泰 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (30844063)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 直流電気鉄道 / 省エネルギー / 蓄電装置 / 地上蓄電システム / 回生エネルギー / 安定性解析 |
研究開始時の研究の概要 |
直流電気鉄道システムにおける回生電力に関して,更なる有効活用の余地がある。そこで本研究では,蓄電システムによる直流電気鉄道システムの高エネルギー効率化を目的とし,分散型地上蓄電システムを提案し,その協調制御法およびシステム設計法の確立を目指す。直流電気鉄道システムでは,システム内の電圧変動が非常に大きく,絶縁等の観点から決まるシステム内の電圧の適正範囲の制約から,流せる電流が制限されるという課題を抱える。そこで本研究では,蓄電装置を複数に分散して設置することで,1箇所に設置した場合よりも広範囲にわたって回生パワー吸収・加速アシスト効果が得られる分散型蓄電システムを提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では,蓄電システムによる直流電気鉄道システムの高エネルギー効率化を目的として,分散型地上蓄電システムを提案すると共に,その電力制御法を新たに提案した。具体的には,まず地上蓄電システムの充放電制御系設計法の確立を行うことで,制御系の安定性と省エネルギー効果のトレードオフを考慮した充放電制御ゲイン設計を可能にした。加えて,車両の速度や位置といった情報を積極的に用いることで,時々刻々変化するき電回路に合った可変電圧源動作を実現し,充放電電力の向上や効果範囲の拡大が可能な手法を提案した。また,提案手法を分散型地上蓄電システムに適用することで,省エネルギー効果向上が可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,鉄道システムの省エネルギー性の源泉である回生エネルギーの有効活用を促進する点で,輸送部門のカーボンニュートラルへの貢献度を高めることが可能である点で社会的意義を有する。 これまで主に検討されてきた集中型地上蓄電システムは,大容量の蓄電装置を回生パワー利用率が低い箇所にピンポイントで設置することが前提であった。一方,車上蓄電システムによる広範囲での回生パワー有効利用も提案されているが,車両に蓄電装置を搭載するスペースは限られる等の懸念がある。それに対し,本研究では上記の従来システムの利点を併せ持つ革新的な分散型地上蓄電システムに着目し,その電力制御法を提案している点で学術的意義がある。
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