研究課題/領域番号 |
20K14726
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
村上 祐一 名城大学, 理工学部, 准教授 (80806498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 電界殺菌 / 低温保存 / 冷凍殺菌 / 凍結 / インピーダンス / 凍結防止剤 / 冷凍温度 / 冷凍速度 / 電流波形 / 凍結殺菌 |
研究開始時の研究の概要 |
冷凍保存技術の普及により,食品の長期保存が可能となり,食中毒発症件数も減少した。しかし,冷凍は微生物の増殖速度を低下させるのみで,高い殺菌効果を持たない。食品冷凍時において,有害な微生物を全て殺菌できるのならば,我々の食への安全はさらに保障され,食品保存期間の延長も期待される。本研究では,凍結物中の微生物を電界印加による殺菌する方法(冷凍電界殺法)を考案し,冷凍電界殺菌法における高殺菌効率条件を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では,冷凍および電界を用いた低温殺菌技術を開発するために,冷凍と電界による大腸菌殺菌に及ぼす印加電圧波形,試料の冷凍条件およびインピーダンスの影響を調査し,冷凍電界殺菌機構に関して考察した。その結果,冷凍電界による大腸菌殺菌効果は氷試料に流れる電流に大きく影響されることが示され,電流値が大きいほど冷凍電界殺菌効果が高くなる。冷凍電界殺菌後の試料は凍結したままであることを確認した。アガロースゲル電気泳動にて,冷凍電界殺菌後の試料に核酸が漏出していることを確認し,氷試料に流れる電流が細胞膜に損傷を与えている可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,大腸菌を含む凍結試料に対して電界を印加することで,冷凍のみよりも高い殺菌効果を得ることができた。この技術は冷凍保存中の食材を非加熱で殺菌することができ,更なる長期保存を可能にする。冷凍電界による殺菌効果が試料に流れる電流値に依存することや,試料成分も殺菌効果に影響を与えることを明らかにした。これらの知見は,非加熱殺菌技術である電界殺菌や冷凍殺菌の科学技術基盤を構築するための一助となり,安心・安全な食生活を送るための食品の加工技術の創出に寄与できる。
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