研究課題/領域番号 |
20K14730
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
村田 健太郎 岩手大学, 理工学部, 助教 (20848030)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 無線電力伝送 / マイクロ波 / 空洞共振 / 寄生アンテナ / 電磁遮蔽 / 負荷変調 / Sパラメータ / 整合回路 / 勾配法 / 筐体 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
車両や産業機器の製造・維持コスト削減に向け、筐体内端末への配線を排した電波型無線給電技術が注目されている。 従来方式では、信号源を有さない寄生アンテナの負荷制御により筐体内の電波伝搬環境を操作し、端末の受電状況を把握しながら無線給電を行う。しかし、端末が電池切れの場合、フィードバック不可となり高効率の給電が困難となる。 そこで本研究では、閉空間特有の電波閉込効果に基づき、筐体内で反射し送電機で再回収される電波を観測することで、寄生アンテナが伝搬環境に与える影響と端末での受電状況を間接的に推定する手法を確立する。そして提案法により、筐体内の端末位置に依存せず高効率無線給電が可能であることを実証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、輸送・産業機器を想定した金属筐体内のデバイスに対し、電波を用いてハーネスレスで給電可能とする技術を確立した。 提案法では、信号源を持たない寄生アンテナのインピーダンス制御により、筐体内の電磁界分布を電子的に制御することができる。そして、電磁遮蔽空間と寄生アンテナの特質を活用することで、間接的に給電効率を推定するアルゴリズムを発明し、位置探知困難な受電器に対しフィードバック不要で高効率給電を可能とした。 提案法の実証に向け、極低損失(約-0.5dB)かつ全域位相制御可能なインピーダンス自動制御装置を開発し、筐体内の位置に依らず平均給電効率約50%の無線給電が可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦では、2022年5月に無線給電実用化に向け改正省令が施行され、同技術の市場規模は2031年に約1兆5500億円に達するものと予測されている。一方、電池切れで探知困難なデバイスに対する給電方法は国内外で未だに確立されておらず、同技術普及の律速となっていた。 これに対し提案法では、受電器からのフィードバック不要で約50%の無線給電効率を達成し、上記問題の有効な解決手段となる。提案技術実用化の暁には、ハーネスレス化による輸送・産業機器の軽量・低燃費・低コスト化、電源管理フリー化によるアクセス困難な極限環境における作業ロボットの自立運転支援など、多岐産業分野に渡り波及効果をもたらすことが期待される。
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