研究課題/領域番号 |
20K14734
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 拓海 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40844204)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大規模MIMO / ミリ波通信 / 確率伝搬法 / 低分解能ADC / 量子化 / 通信路符号化 / 信号検出 / 通信路推定 / 低解像度ADC / 信念伝搬法 / 多次元信号処理 / 繰り返し信号推定 / 大規模マルチユーザMIMO / 繰り返し信号検出 / 量子化雑音 / デジタルビームフォーミング / 物理層 / 受信デジタルビームフォーミング |
研究開始時の研究の概要 |
爆発的な無線端末数の増加を背景に、超多数の受信アンテナを具備した受信機が大量の無線端末を同時収容するミリ波・大規模マルチユーザMIMOが注目を集めている。このとき問題となるのが、受信機で信号を分離 (検出) するための信号処理量の増大である。本研究課題では、極めて低処理量で動作する確率伝搬法に着目し、ミリ波通信で想定される強力なフェージング空間相関下でも動作可能な大規模MIMO信号検出手法を設計する。さらに、省電力化を目的に利用される低解像度のADCに起因した信号の非線形歪みの問題についても取り扱う。期待される成果は、将来のIoT社会を下支えする情報基盤技術となる。
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研究成果の概要 |
上り回線のミリ波・大規模マルチユーザMIMO伝送技術は,限られた時間・周波数リソース上で多数の無線通信端末を同時に収容するための物理層中核技術の一つである.その潜在能力を十分に引き出すことを目的に,本研究課題では受信機設計に着目し,ベイズ推論に基づく低演算量かつ高精度な信号検出アルゴリズムを開発した.具体的には,基地局の低コスト化を目的とした低分解能ADCの利用を想定し,非線形の量子化ひずみを補償しつつ高精度検出を実現する手法や,受信デジタルビームフォーミングを前提に,ミリ波通信路の統計的性質を利用した次元縮小法を開発し,検出精度を劣化させることなく大幅な低演算量化を実現する手法を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内閣府が提唱するSociety 5.0では,仮想世界 (サイバー空間) と現実世界 (フィジカル空間) を高度に接続することで,新たな価値やサービスを創造する未来社会が描かれており,その実現が,現在日本が直面している様々な社会問題の解決への糸口となっている.二つの世界 (空間) の高度かつ柔軟な接続を可能とする主たる担い手として無線通信システムがあり,特に,現実世界の情報を仮想世界へ伝送・集約する上り回線の無線通信技術の発展が急務となっている.上り回線の無線物理層技術の高度化に貢献する本研究成果は,将来の無線通信システム,ひいては未来社会を支える重要な情報基盤技術へとつながるものである.
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