研究課題/領域番号 |
20K14738
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
工藤 幸寛 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (30761655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光散乱型液晶素子 / 可視光通信 / 微細ファイバー / 強誘電性液晶 / 光散乱型液晶 / 高速応答 |
研究開始時の研究の概要 |
通信機器の爆発的普及は利用可能な電波の周波数帯域を逼迫している.一方で,可視光帯域はこのような問題はなく,IoT (Internet of Things) デバイスの爆発的増加に対応する術としてその活用が期待されている.本研究は,高速応答可能な光散乱型液晶素子を開発し可視光通信に適用することでIoT機器の低電力可視光通信を実現する方法について検討し,さらに光による電力伝送と情報伝送を両立したIoT機器向けの可視光通信システムへの適用について検討するものである.
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研究実績の概要 |
本年度は,光散乱型液晶素子を光変調素子として応用することを中心に研究を実施した.特に,昨年度までに検討してきた強誘電性液晶を用いた光散乱型液晶素子に適した変調方式や素子に印加する電圧法を明らかにすることを目的とした.
変調・復調プログラムをオープンソースのソフトウェアラジオ開発ツールGNU Radioで実装し,実際に作製した素子を利用した変調実験を行った.赤色半導体レーザーの光路上に光散乱型液晶素子を配置し,GNU Radio上で生成した信号を高速アンプで増幅し光散乱型液晶素子に印加することでレーザ光を変調した.変調したレザー光をフォトダイオードで光電変換し,再びGNU Radioに取り込み復調した.AM,FMなど基本的なアナログ変調方式で伝送した音声が復調できた他, QPSKによるデジタル変調でテキストデータが伝送できることが確認できた.しかし,デジタル伝送の誤り率を評価すると90%近い値となった.搬送波の周波数がkHzオーダーであり一般的な無線通信に用いるものに比べて周波数が低すぎるため処理が安定しないことも原因として考えられる.また,素子の電圧対曇り度の特性は0Vを中心に非対称な形をしているため,印加波形について検討したが,不純物イオンが蓄積する原因となるバイアス電圧は印加せず,±20V程度の電圧に調整することで75%程度まで誤り率が低下した.素子の特性を再び評価した結果,静特性のヒステリシスが大きいことがわかり,これが伝送特性に大きな影響を与えていることが示唆された.したがって,ヒステリシスの小さくなる素子の作製条件を明らかにすることが今後重要となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに検討してきた光散乱型液晶素子を用いて可視光をデジタル変調し基本的な通信が可能なことを確認できた.素子のヒステリシス特性が伝送速度に大きな影響を与えている可能性が明らかとなるなど成果もあったが,変調・復調の実装が難航し昨年までに生じた新型コロナウイルスによる遅れの影響を取り戻すには至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
伝送速度の低下につながる素子のヒステリシスは紫外線硬化条件が大きく影響していると考えられることから,紫外線硬化材料の添加量や紫外光の照射条件を中心によりヒステリシスが小さくなる条件を検討する.
変調・復調が不安定な原因については,実装上の課題もある.フィルタやサンプリングレートの関係で無線用のソフトウェアやハードウェアを転用しても安定した動作が困難なことから別の方法で変調・復調のための回路を実装することも検討しながら,素子に適した変調方式を明らかにしていく.
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