研究課題/領域番号 |
20K14743
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
長縄 潤一 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 主任研究員 (40760400)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 位置検証 / 位置推定 / 受信信号強度 / ADS-B / 最小二乗法 / 航空監視 |
研究開始時の研究の概要 |
位置検証とは移動体から報告された位置情報の正当性を検証するために,無線信号の特徴量と位置報告の整合性を調べるものである。位置検証は,従来の位置推定と比べると直感的には類似性があるが,これまで両者は独立して研究されてきた。そこで,本研究では位置検証と位置推定を統一できる理論を構築する。その理論を活用して,最適な組み合わせ戦略といった知見を導出するほか,位置検証に位置推定の技術を取り込む基盤とする。また,理論の実践的検証として,ADS-Bと呼ばれる航空機の位置信号への応用を行う。これにより,移動体位置情報の信頼性を確保し,交通管制や運航管理など運輸サービスの安心・安全を実現に寄与することを目指す。
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研究成果の概要 |
位置検証・位置推定を統一された枠組みで取り扱う理論を導出できた。まず,共通する前提条件を設定し,それぞれの性能である検定量分布・誤報率・検知率(位置検証)および精度(位置推定)を導出した。その上で,位置推定の結果をもとに位置検証を定式化するなど,結果の相互変換により全体として理論の統一を達成できた。また,導出した理論を航空分野のシステムであるADS-Bに適用することで,位置検証の性能向上に関する知見が得られた。具体的には,位置検証をそのまま行う「直接法」と位置推定を経て位置検証を行う「間接法」を比較し,受信局が十分ある場合には後者が優れることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
位置検証は,不正な位置情報という脆弱性に対処するための技術である。本研究の成果は位置検証の性能向上に資するものであり,社会の安心・安全に貢献するものである。特に,位置検証は位置推定と比べて新しい技術であるため,理論的な基盤を構築した意義は高い。今後,位置推定で発展した技術を取り込み,さらなる性能向上につなげることが期待される。また,本研究では理論導出のみならず,実際の航空用システムであるADS-Bへの適用も検討した。ADS-Bは今後我が国でも導入が進むため,本研究の検討結果の活用が期待される。これは航空分野における安心・安全に貢献するものである。
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