研究課題/領域番号 |
20K14763
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2021-2022) 岡山大学 (2020) |
研究代表者 |
岡野 訓尚 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80778209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 有限データレート制御 / イベントトリガ制御 / アクチュエータ配置 / ネットワーク化制御 / センサ配置 / センサ選択 / 制御工学 |
研究開始時の研究の概要 |
ネットワークを介して情報通信を行う制御システムにおいて,どのような情報を,いつ,どの程度の情報量通信するかという通信則と,通信された情報を基に制御入力を決定する制御則を,制御目的に関して最適化する問題に取り組む.制御工学では,ネットワークの使用に伴う課題を克服するための制御則が研究されてきたが,通信については所与の制約として扱うのみであった.一方,通信工学の分野では,限られた資源のもとで通信情報量や速度,確実性を高める技術が研究されている.この成果を応用して制御目的に沿うように通信則を設計し,ネットワークを介した制御の性能向上を目指す.
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き,主に「イベントトリガ制御機構における時刻情報を利用した省データレートフィードバック信号による安定化」について研究を行った.これは,イベントトリガ制御では,イベント発生条件がプラントの出力と関連付けれられることを利用して,イベント発生時刻からプラント状態の推定に有用な情報を得る手法である.これにより,フィードバック信号の通信パケットにペイロードとして含まれるビット列以上の情報量をコントローラ側で得ることができる. 本年度は,昨年度検討したイベントの発生条件,ペイロードに含める情報のエンコード方法,それらを利用した場合の安定性解析についての基本的な成果を踏襲しつつ安定性の定義について見直しを行い,理論的成果を修正した.これにより,関連する先行研究との関係が明確になったほか,証明の不備を修正することができた.結果はシステム制御情報学会論文誌に掲載された. これ以外に,システムを制御するために最適なアクチュエータの配置を求める問題に取り組んだ.これは,多数のアクチュエータの配置候補から,最適制御を行った際のコスト値が最小となる組み合わせを求める問題で,効率的に最適解を求めることが難しい問題として知られている.本研究では貪欲法に基づく近似解法で得られる解について,最適解との乖離を理論的に保証する結果を得た.貪欲法は,評価関数が劣モジュラであれば近似解の性能保証が可能である.本研究で対象とする最適制御コストは劣モジュラではないため,それを拡張した概念を用いて近似解の性能保証を導いた. 以上の成果はフィードバック制御における信号の情報について,制御における価値を明らかにするもので,本課題の主題に深く関連する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から引き続き取り組んでいる問題については成果を得ているが,それらの成果を,制御則と通信則の同時最適化へ発展させる点ではやや遅れている.とくに,制御における情報の価値定量化については解析的なアプローチを試みているが,問題が複雑になり解決に至っていない.次年度では新たなアプローチを試みる.
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに未解決の「制御における情報の価値の定量化」について,従来の数学的なアプローチに加えて,新たに数値的なアプローチを検討する.具体的には,機械学習を利用した定量化に取り組む.数値シミュレーションにより生成した信号を教師データとしてフィードバック信号のもつ情報が制御にどれだけ有用かを推定する.通信という離散的な事象を機械学習が有効な最適化問題として定式化することが課題となる.
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