研究課題/領域番号 |
20K14774
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
石川 良 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90708778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ペロブスカイト太陽電池 / 自己組織化 / フッ素系物質 / 表面偏析 / パッシベーション / 薄膜 / 酸化スズ / 有機半導体 / 耐久性 / フッ素 / 表面自由エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
有機・無機ハイブリットペロブスカイト層を光吸収層とするペロブスカイト太陽電池は現在太陽電池の主流の多結晶シリコン太陽電池やCIGSやCdTeなどの化合物太陽電池と同等以上の光電変換効率が報告されている。 ペロブスカイト層のパッシベーションは太陽電池の初期特性の向上のみならず耐久性においても重要である。 表面自由エネルギーの小さいフッ素系ポリマーやフッ素化アルキルアンモニウム塩・アニオンをペロブスカイト前駆体に混合し、成膜中に偏析させてパッシベーション層を自己組織的に形成させる。この疎水性のフッ素系パッシベーション層によりペロブスカイト太陽電池の高性能・耐久化を図る。
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研究成果の概要 |
ペロブスカイト太陽電池において、その膜質も重要であるがその表面・界面のパッシベーションも高性能化のみならず高耐久化において重要である。後処理によるパッシベーションは非常に有用であるがプロセス数・時間が増える点が難点である。 そこで着目したのがフッ素系物質の低い表面自由エネルギーであり、ペロブスカイト前駆体にフッ系高分子やフルオロリン酸を添加すると、成膜中にペロブスカイト薄膜の表面数~十数nmに自己偏析することがX線光電子分光の深さ方向分析から判明し、このフッ素系物質がパッシベーション層となり、後処理を行うことなく最高で光安定化出力20.4%が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペロブスカイト太陽電池においてフッ素系物質の添加については耐久性向上の観点からいくつかの報告例があるが、その低い表面自由エネルギーによる表面偏析に関しては調査されていなかった。本研究では添加したフッ素系物質がペロブスカイト薄膜表面に自己偏析しており、かつ自己偏析層がパッシベーションとして機能することを示し、後処理を行わず高速にペロブスカイト太陽電池を成膜する方法として有用であることを示した。
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