研究課題/領域番号 |
20K14782
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
増田 啓介 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (40732178)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | スピントロニクス / トンネル磁気抵抗効果 / スピン輸送 / 垂直磁気異方性 / 磁気トンネル接合 / 第一原理計算 / 磁性 / 表面・界面物性 |
研究開始時の研究の概要 |
不揮発磁気メモリ(MRAM)を高性能かつ大容量にするためには、このデバイスの根幹をなす磁気トンネル接合(MTJ)において、高い磁気抵抗(TMR)比と大きな垂直磁気異方性を達成する必要がある。そこで本研究では(111)配向型の新奇MTJを理論検討する。このMTJでは大きな垂直磁気異方性が担保される一方、これまでにTMR効果に関する実験・理論研究がほとんどなされてこなかった。本研究では第一原理伝導計算を用いてこの系のTMR効果について解析し、高TMR比の発現可能性およびTMR効果の微視的メカニズムを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
新規な配向性を持つ(111)配向磁気トンネル接合 (MTJ) のトンネル磁気抵抗 (TMR) 効果について理論研究を行った。まずMgO(111)をトンネルバリアとしたMTJについて検討し、強磁性電極としてCo合金 (CoNi、CoPt、CoPd) を用いた場合に数1000%級の非常に高いTMR比を得た。また界面共鳴トンネル現象がこのようなTMR比の起源である可能性を提唱した。続いてSrTiO3(111)をトンネルバリアに用いたMTJについて解析し、数100%の比較的高いTMR比を見出した。この系のTMR比はバルクのバンド構造によるコヒーレントトンネル機構で説明可能であることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
磁気トンネル接合 (MTJ) は全てのハードディスクドライブや磁気ランダムアクセスメモリに搭載されるビックデータ社会に不可欠なデバイスである。従来のMTJはFe/MgO/Fe(001)に代表されるように、bcc強磁性体の[001]方向に成長させる構造を取っていた。しかし次世代電子デバイスへの搭載に向けて、さらに高いトンネル磁気抵抗比や大きな垂直磁気異方性を達成する必要があり、そのためには新規なMTJを模索することが重要である。本研究ではこのような主眼から新規な(111)配向MTJを理論的に研究し、これらの望まれる特性が達成されうることを理論的に示すことができた。
|