研究課題/領域番号 |
20K14793
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
富田 基裕 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (90770248)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | シリコン / 酸化膜 / 分子動力学 / 半導体 / 熱伝導 / フォノン / 熱電発電 / 熱制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、Si/SiO2界面の状態を制御することで界面近傍の熱伝導を自在に変調する手法を確立する。分子動力学(MD)法を用いた熱伝導シミュレーションに加えて、ラマン分光法によるフォノン状態および熱拡散速度の測定、TEMや3Dアトムプローブを用いた構造解析を組み合わせることで、Si/SiO2界面が熱伝導へと及ぼす影響を明らかにし、上記目標を達成する。熱伝導の制御は熱電変換のみならず、最新のLSIでも重要となってきている。本研究で開発するSi/SiO2界面の制御によってどちらにも対応できる熱制御技術は、今後の熱エンジニアリングの重要な技術の一つになると期待する。
|
研究成果の概要 |
低エネルギーのフォノンモードはフォノン分散がブロードになっていること、平均二乗変位の大きい部分が点在していることから、SiO2/Si界面の熱伝導率低減効果に関与していると考えられる。また、低エネルギーのフォノンモードが結晶内で点在するためには歪分布が不均一である必要があることも分かった。つまり、熱酸化や高エネルギーのスパッタなど、作成する膜が成膜対象の基板と化学結合を生じるような条件の成膜方法が熱伝導率低減に効果的であると結論することができる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて開発する技術は、熱が関係する様々なデバイスの設計に不可欠になると考える。熱電デバイスについては高出力もしくは高効率なデバイスが作成できるようになる。また、スイッチングデバイスについては自己発熱による過熱を防ぐための、より繊細な熱エンジニアリングが可能となり、素子寿命の延長につながる。さらに、過熱による漏れ電流が低減できるため、社会全体の低消費電力化の一助にもなる。今後は熱エンジニアリングによって熱輸送を精密にコントロールすることにより、次世代デバイスの性能は上がり、環境への負荷を低減できると考える。
|