研究課題/領域番号 |
20K14794
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
MUHAMMAD KF 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(材料技術研究所), その他(招聘研究員) (00801292)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 表面酸化膜の還元 / 白金触媒 / ギ酸 / 銅ナノ粒子 / 錫粉末 / 還元 / ナノスケール銅粒子 / 白金触媒活性化ギ酸 / 焼結 |
研究開始時の研究の概要 |
良好な金属間接合を得るために、金属の表面酸化膜を還元(除去)する必要がある。従来、300℃程度で還元に有効な水素雰囲気で接合プロセスが行われてきたが、高温での接合に起因する残留熱応力を抑制する目標としてより低温での接合技術の開発が不可欠である。ギ酸雰囲気は250℃以下で酸化膜の還元に有効と報告されてきたが、本研究ではさらなる接合温度の低温化を目的として、白金触媒活性化されたギ酸を利用して銅ナノ粒子の表面酸化膜還元機構および焼結プロセスの解明を行う。
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研究成果の概要 |
車載用パワー半導体モジュールの実装において、構成要素材料の膨張や収縮度合いの違いによる高温接合に起因する残留応力の発生を抑 制するには、低温接合が望まれている。良好な接合を得るため、金属接合を妨げる酸化膜を効率よく削除する必要がある。本研究では、低温での酸化膜の削除方法として、還元挙動を示すギ酸雰囲気に着目し、その還元効果をより強調するため、白金触媒をプロセスに導入し、金属粒子酸化膜の還元メカニズムを解明した。結果として、ナノ スケール銅粒子は、白金触媒なしで225°Cで酸化膜が還元できたことがわかったが、白金触媒ありで200°Cという、より低温で還元することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果を通して、ナノスケール銅粒子(粒子径:50ナノメートル)の酸化膜表面の還元温度を、従来のプロセスと比較し、より低温に実現できるプロセス条件を解明した。従来は水素還元雰囲気、または、環境汚染の懸念があるフラックスを用いたプロセスが主に使われきたが、本研究では、白金触媒活性化ギ酸還元雰囲気を用いることで200℃といった低温域で銅粒子の酸化膜表面を削除することが確認できた。こうして、電気自動車載用パワー半導体モジュールの実装で使われている高価な銀焼結材の代替材として、より低価の銅焼結材の適用が実現できるかと予測される。
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