研究課題/領域番号 |
20K14800
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2022) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
鎌田 知久 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (70804194)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | セメント硬化体 / 高炉スラグ微粉末 / 空隙構造 / 幾何学的構造 / 三次元微細構造 / FIB-SEM / 3Dイメージング / 細孔構造 / 細孔モルフォロジー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高精度な三次元立体観察により,細孔構造の詳細な三次元情報として,nmオーダーの連続した細孔の屈曲度や連結性等に関する情報を取得し,既往の知見との相互比較によりその妥当性を検証するとともに,幾何学的構造に関する新たな知見の創出を試みる。具体的には,FIB/SEMによる細孔構造の三次元観察及び定量的な分析により,使用材料で異なる細孔構造の発達過程の差異や環境作用が,幾何学的構造に与える影響を解明する。さらに,各種物質移動試験の結果と上記の知見を統合することで,幾何学的構造が物質移動に与える影響を詳細に論じる。
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研究成果の概要 |
セメント硬化体空隙の幾何学的構造に関する新たな知見の創出、および空隙の幾何学的構造が物質移動に与える影響の解明を目的として検討を実施した。FIB-SEMによるセメント硬化対空隙の三次元微細観察より、普通セメント硬化体と比較して高炉セメント硬化体は、より連結性の高い複雑な空隙網を有することが示唆された。さらに水分浸透試験の結果から、高炉セメント硬化体は普通セメント硬化体と比較して、吸水量は大きいが水分浸透深さは小さくなるという結果が得られた。高炉セメント硬化体は、空隙の連結性が高いことで水が空隙内を網羅的に浸透するため、内部方向への水の浸透が抑制される可能性が高いことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セメント硬化体空隙の幾何学的構造が物質移動に及ぼす影響の詳細な理解は、物質移動を精緻に予測可能なモデルの構築や幾何学的構造に起因する物質侵入抑制メカニズムの解明に貢献しうる。本研究では、高炉セメント硬化体空隙の三次元微細構造に関する視覚的情報を取得するとともに、高炉セメント硬化体特有の水分浸透性状と空隙の幾何学的構造との関係性に関する新たな知見を得た。これは、高炉セメント硬化体の水分浸透抑制メカニズムの解明ならびに物質移動モデルの発展に寄与するものであると考える。
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