研究課題/領域番号 |
20K14804
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
高橋 駿人 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 助教 (30861786)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | セメント系材料 / 複合劣化 / 中性化 / 高温 / 溶脱 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、コンクリート構造物の供用中に高温に曝されるリスクが高まっており、高温およびそれに付随して連続的に水が作用する場合のメカニズムの解明が求められている。しかし、供用期間中に中性化している可能性も大いに考えられ、これが変質のメカニズムに寄与するところは大きいと考えられるが、その影響を考慮している研究は見当たらない。本研究では、セメント系材料の中性化の有無が、高温および水の作用による変質メカニズムに与える影響を力学的分析、化学的分析、内部構造分析の観点から評価する。これらを最高温度別かつ水の作用方法で整理することにより、高温による劣化の補修・補強のシナリオの策定が精緻化されることが期待される。
|
研究成果の概要 |
構造物に用いられるセメント系材料は供用期間中に中性化するため,中性化したセメント系材料が物性変化に与える影響を,高温や水の作用を受けた場合に着目して明らかにすることを目的として実施した.OPCを用いたセメント硬化体で高温暴露後に水分作用試験を実施した結果,400℃までは溶脱抵抗性が上がることが示された.また,中性化の有無が水分浸透速度係数に与える影響を,JSCE-G 582-2018を参考にした試験を実施し,質量変化率を測定することで分析した結果,水分浸透速度係数は,OPCは中性化により低下するが,高炉スラグ微粉末で置換した場合は,置換率の増加に伴い増大する傾向が得られた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンクリート構造物は供用期間中に中性化している可能性も大いに考えられ,これが変質のメカニズムに寄与するところは大きいと考えられる.コンクリート構造物の供用中に高温に曝されるリスクが高まっており,高温およびそれに付随して消火活動等により連続的に水が作用する場合があり,本研究の成果は,高温による劣化の劣化の補修・補強のシナリオの策定を最高温度別に整理できるものと考えられる.また供用中の中性化による腐食には鋼材周囲の水分供給が大事であるが,配合別に中性化の有無により水分浸透速度係数が変化することが明らかになったため,この影響を考慮して腐食速度の予測をする必要があることが明らかになった.
|