研究課題/領域番号 |
20K14813
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山田 雄太 日本大学, 理工学部, 助教 (90801035)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | せん断 / RCはり / アーチ機構 / ビーム機構 / 補修 / 補強 / 鉄筋腐食ひび割れ / FRPシート / 耐荷機構 / せん断補強筋 / 人工ひび割れ / 鉄筋腐食 / 付着剥離 / エネルギ定理 / 鉄筋コンクリート / 既設構造物 / 補修・補強 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄筋コンクリート(RC)はり部材のせん断耐力は,先達の研究成果により実用上問題のない範囲で予測可能ではあるが,現在も合理的な耐力評価式の構築には至っていない.経年劣化した構造部材の耐力や補修,補強の効果を適切に評価するためにも,耐荷機構に立脚した耐力評価式の構築が不可欠である.一方,申請者はひび割れ経路に沿う応力伝達を考慮することでせん断耐荷機構の一つであるビーム機構の耐力予測式の導出に成功している.本研究は,この導出手法を礎にしてこれまで解決が困難であったRCはり部材のせん断問題の解決を試みると同時に,既設構造物の劣化と補修,補強効果を反映させた合理的な耐力評価式の構築を試みるものである.
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研究成果の概要 |
既設鉄筋コンクリート(RC)部材における合理的なせん断耐力評価式を構築することを目的として,劣化した部材や補修および補強された部材のせん断耐荷機構を明らかにすると同時に,せん断耐荷機構の定義に立脚した種々のモデルを構築した.構築したモデルに基づき材料のせん断抵抗力寄与分に関する耐荷機構上の分類を明らかにすることにより,理論的な評価式の構築に至った.既存の設計指針類に採用されている評価式と構築した評価式の精度を比較した結果,構築した評価式は,健全な部材に対してより高い精度でせん断耐力を評価可能であることに加え,劣化した部材や補修および補強された部材に対してもその精度が保たれることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RC構造部材のせん断破壊は避けるべき破壊形態の1つであるものの,その現象の複雑さゆえに合理的な耐力予測式の構築には至っておらず,主要な設計指針類の多くには統計的な評価手法が採用されている.劣化した部材や補修および補強された部材に対しては,統計的な評価手法の適用は困難である.本研究では,このような部材に対しても一貫して耐荷性能を評価可能な理論的な評価式を構築しており,既設構造部材における維持管理手法の高度化に資する成果が得られた点に社会的意義がある.構築した評価式はせん断耐荷機構の定義に立脚した理論式であることから,せん断耐力評価手法の理論化に資する成果が得られた点に学術的意義がある.
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