研究課題/領域番号 |
20K14820
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加村 晃良 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80761387)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | スレーキング / 盛土 / 内部浸食 / 泥岩 / シルト岩 / 安定解析 |
研究開始時の研究の概要 |
国土の約7割が山地・丘陵地である我が国では,斜面の安定性確保やその長期的維持管理は重要な課題である。特に近年,高速道路などの盛土では,土質材料が細粒化(スレーキング)して,不可逆的な構造変化と強度低下を引き起こす内部浸食が問題となっており,そのメカニズム解明が求められている。本研究では,盛土内でのスレーキング発生~土の粒度変化~細粒分の移動の各フェーズを対象に,盛土内の内部浸食発生条件とその力学的メカニズムを解き明かす。さらに,盛土の維持管理に資するよう,内部浸食の予測・スクリーニングに活かせる簡易チャートを提案することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究は,スレーキングが生じた盛土内部の力学的変化を評価し,地下水位の変動(乾湿履歴)に着目して,盛土の劣化および変状メカニズムの解明を試みた。スレーキング性を有するシルト質泥岩を対象に,現場調査,室内試験,そして地下水位の変動シナリオを踏まえた数値解析を実施した。その結果,対象としたシルト質泥岩は,乾湿履歴を受けて粒度分布が変化し,特に粘着力が減少することが明らかとなった。強度特性や内部浸食に伴う粒度分布の変化に伴い,地下水位条件によっては,盛土の安全率が1.0を下回る可能性が示された。このため,適切な地下水位設定と,継続的な地下水位計測の重要性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スレーキングにより変状が報告されている盛土内部では,粒子の細粒化と地下水の流れによって,内部浸食が生じ,盛土全体の安定性が低下することが懸念されている。しかし,研究開始時点においては,スレーキングに関する調査手法や力学的変化の評価法,そして長期的維持管理のための体系的知見がない状況にあった。 本研究では,盛土全体系の不安定化とスレーキングの関係性を明らかにし,現場調査から室内試験,安定解析手法まで,社会実装が可能な評価フレームを構築した。適切な地下水位の管理と,盛土供用後においても継続的に地下水位を計測し安定解析にフィードバックすることの必要性について,維持管理に資する成果として提案できた。
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