研究課題/領域番号 |
20K14826
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
緒方 奨 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50868388)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 岩盤内亀裂 / 透水特性 / 化学現象 / 連成数値シミュレータ / 高レベル放射性廃棄物地層処分 / 亀裂の内部構造 / 岩石亀裂の内部構造 / 岩石亀裂の生成 / 熱―水―応力―損傷―化学連成 / 亀裂の透水性変化 / 圧力溶解 / 熱・水・応力・損傷・化学連成数値シミュレーション / モデルの統合化 / 高レベル放射性廃棄物の地層処分 / 亀裂の生成・進展 / 化学現象(圧力溶解) / 不連続体モデル / 岩盤亀裂 / 地化学現象 |
研究開始時の研究の概要 |
高レベル放射性廃棄物を岩盤内に隔離し、その長期閉じ込め性能を保証するためには、岩盤内亀裂の透水性を長期把握する必要がある。そのためには、廃棄体処分空洞掘削時に岩盤中に亀裂が生成した後、化学現象によって亀裂の透水性が長期変化していくまでを評価可能なシミュレータが必須である。本研究では、力学試験に基づき生成する亀裂の内部構造を予測可能な数理モデルを構築し、亀裂生成解析モデル、化学現象を搭載した熱・水・応力・化学連成解析モデルと統合することで亀裂の生成からその後の化学現象による長期透水性変化までを一気通貫に解く連成数値シミュレータを開発する。これをもって、地層処分時の岩盤の透水特性の長期評価を行う。
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研究成果の概要 |
従来不可能であった、岩盤内の亀裂生成~その後の化学現象による透水性変化までを解くシミュレータの開発を試みた。まず、亀裂内の化学現象の計算において重要なパラメータである亀裂内接触部割合を予測可能な数理モデルを構築し、力学試験との比較から妥当性を検証した。次に、亀裂生成過程の解析モデル、構築した数理モデル、化学現象を含む連成現象の解析モデルを統合した連成数値シミュレータを開発した。シミュレータを用いて高レベル放射性廃棄物地層処分を想定した長期予測解析を実施した結果、処分空洞掘削時に多数の亀裂が生成した後、圧力溶解という化学現象が生じた亀裂においては長期に渡り透水性が減少する挙動が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築した連成数値シミュレータによって、岩盤内に新たに生成された亀裂が辿る一連の素過程(生成~経年変化)を計算機上ではじめて一気通貫に表現できるようになる。その結果、地層処分や地熱発電といった、初期施工時に新たな亀裂の生成を伴う種々の地下開発事業における岩盤の透水特性を従来より格段に精度よく予測可能となる。これにより、高レベル放射性廃棄物地層処分施設の物質閉じ込め性能や地熱貯留層における地熱流体回収性能等を時系列で定量評価可能となり、地層処分技術の安全性や地熱発電の生産性の更なる向上に貢献し得ると考えられる。
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