研究課題/領域番号 |
20K14827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
橋本 涼太 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (60805349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 石積壁 / 石垣 / 数値解析 / MPM-DDA / 浸透-変形連成解析 / FDM / 城郭石垣 / 地震応答解析 / 大変形 / 地震 / 降雨 |
研究開始時の研究の概要 |
石積壁などの柔な壁面を持つ抗土圧構造物は、変形を許容する構造であるため変形量に基づく維持管理が重要だが、破壊形態の複雑さ故に力学的裏付けがある評価指標が確立されていない。本研究では、申請者が開発してきた離散体-連続体の相互作用解析技術に不飽和地盤の力学理論を融合・発展させ、地震による擁壁の変形から再度の地震または降雨といった次の外力による崩壊に至るまでのマルチハザード下での挙動をシームレスに予測する解析技術の開発を目指す。そして、石積壁を例に模型実験とその再現解析を通じて手法の妥当性を検証するとともに、既設構造物の合理的な安定性診断指標を検討する。
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研究成果の概要 |
近年、地震を経験し変形を生じた後に強い雨によって崩壊に至る石積壁・石垣が多数見られる。本研究では、地震による擁壁の変形から再度の地震または降雨といった次の外力による崩壊に至るまでの挙動を一連の流れで解析する技術を開発した。 まず裏込め土の崩落を含む石積壁の動的解析手法として連続体の大変形解析手法であるMPMと不連続変形法(DDA)の連成手法を開発した。その上で、地盤内部への水の浸透を考慮するため、Darcy-Brinkman式に基づく有限差分解析とMPMを連成することで土-水連成現象も考慮可能にし、石積壁の振動台実験や典型的な浸透破壊現象の計算例を通じて妥当性を検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究以前に実施された石積壁の数値解析には個別要素法(DEM)や有限要素法(FEM)が用いられている。しかし、前者は地盤の構成関係や間隙圧挙動を反映できず、後者は地盤の構成則を利用できるが、不連続な壁面部材の大変形の表現は難しく、別個に検討されており、また、土中への浸透現象は考慮されてこなかった。 本研究では研究代表者がこれまで整備してきた陰解法に基づく地盤-石積構造物間の相互作用解析コードを地盤の大変形と水の浸透現象へと拡張させた。これにより、従来手法では困難だった石積壁を含む柔構造擁壁の地震・降雨のマルチハザードに対する応答のシームレスな予測・評価が可能となる。
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