研究課題/領域番号 |
20K14834
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 (2022-2023) 東京工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
瀬戸 里枝 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 研究官 (70799436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 衛星マイクロ波観測 / 陸域雲降水粒子 / 陸域 / 雲降水粒子より分け推定 / 雲降水粒子 / より分け推定 / 鉛直分布推定 / 雲降水粒子のより分け推定 / 衛星観測 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今の世界的課題である水文気象の極端現象の理解や予測にとって、雲降水粒子の詳細な分布は重要な情報であるが、そのデータは非常に少ない。本研究では、マイクロ波衛星観測から雲降水粒子をより分けて同時推定し、更に可視・近赤外衛星観測の併用でその鉛直分布も適切に推定する手法を開発し、適切な評価を行う。また既存の手法の適用は主に海域に限られるのに対し、本研究では陸域を対象にした推定手法の確立により既存の手法の穴を埋め、広範囲・長期にわたって適用できる推定手法の構築を行う。これにより、本研究は、雲降水粒子の推定手法について、雲+降水、海洋+陸域の2方向に適用範囲を拡張し、技術的ブレークスルーを達成する。
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研究実績の概要 |
Kaバンド帯に属する36GHzのマイクロ波衛星観測データを用いて、陸域の液相雲水量を推定する手法を構築した。雲水量推定の際の大気プロファイルや、雲水量の鉛直分布の設定を様々に変えた感度解析を行うとともに、雲レーダのプロダクトとの比較を行い、本手法の妥当性と限界について詳細な評価を行った。その結果、Kaバンド帯の利用により、液相のみを高精度に推定できる可能性が示された。これまで陸域の雲水量推定は、固相の影響の大きな高周波数のマイクロ波が使われていたが、本研究により、液相と固相のより分け推定の可能性が示された。以上の成果を国際ジャーナルに発表した。 また、昨年度に引き続き、小型衛星観測データから本手法を用いて推定した雲水量を活用したデータ同化・降水予測についても検討し、河川流域スケールの降水予測向上に陸域雲水量が寄与することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画と同程度の進捗があり、学術論文への発表や国際学会での発表投稿も行った。更に、一定の成果が得られたため、当初の計画にはなかった、現業モデルへの本手法の組み込みの検討を始めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、気象予測の初期値作成への応用に向けた、陸域雲水量推定手法の開発のみを計画していたが、現業の数値予測の向上への貢献に向けて、本手法を現業モデルへの組み込みに着手する。これと並行して、雲と雨のより分けの可能性を検討する。
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