研究課題/領域番号 |
20K14838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
張 哲維 京都大学, 防災研究所, 特定助教 (20866826)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 海岸林 / 波浪減衰 / 沿岸災害 / 気候変動適応策 / マングローブ / Eco-DRR / 水理模型実験 / 水槽実験 / ブシネスクモデル / 津波 / 高潮 / 高波 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、気候変動による沿岸域のリスクが増加しつつあると考えられる一方、海岸林等の生態系を生かしたEco-DRRは低コストかつ効果的な高波に対する防御として注目を集めている。しかし、沿岸林のEco-DRR機能についての評価は簡略化されたモデルにもとづき行われており、実務レベルで要求される定量的評価には至らない。本課題では、アジア・太平洋域で主要な海岸林であるマングローブと松を対象に最新の3D技術を用いて複雑な海岸林の物理形状を正確に模擬した水槽実験を行い、波浪減衰評価を実施する。実験結果をもとに海岸林についての数理モデル構築し、これを数値モデルに組み込み、沿岸林の防御機能を定量化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、現地調査においてマングローブの形態を表すパラメータ間の相関関係を発見し、それに基づいて新たなパラメータ化を提案した。マングローブの根の構造を再現した3Dモデルを用いて、波とマングローブの相互作用を研究し、マングローブの抵抗力係数の経験式を確立した。実験室で得られた力係数の経験式を用いて、マングローブの抵抗をブシネスク型モデルでパラメータ化し、水波をシミュレートした。モデルの結果、抗力と慣性の両方の効果を考慮することで、キャリブレーションに頼ることなく、実験測定値の精度が向上することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現地調査での測定は豊富なデータベースを構成し、他の研究者が数値シミュレーションでマングローブをパラメータ化するのに利用できる。実験室実験により、波とマングローブの相互作用や波浪減衰に対するマングローブの効果について、根の構造を含めた詳細な情報が明らかになったことは、環境保全や沿岸保護にとって非常に重要な発見となる。開発したマングローブ効果を組み込んだ数値モデルは、将来のリスク評価に利用することができる。
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