研究課題/領域番号 |
20K14841
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 (2021-2023) 中央大学 (2020) |
研究代表者 |
田端 幸輔 国土技術政策総合研究所, 河川研究部, 主任研究官 (90756678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 堤防 / 基盤浸透 / パイピング破壊 / 浸透流 / 粒度分布 / 空隙率 / 基盤透水層 / 三次元浸透流解析 / 干渉沈降速度 / 固液二相流二流体モデル |
研究開始時の研究の概要 |
洪水外力の巨大化が著しい昨今において,最も重要な治水施設である堤防の破壊危険性を科学的に推定し,堤防強化対策に生かすことのできる技術の確立が強く求められる.堤防下の基盤層のパイピング破壊は,どの程度パイピングが発達すると致命的となるのか,パイピング規模に最も影響を及ぼす要因は何なのかといったことは十分明らかにされていない. 本研究は,Darcy則を用いない固液二相流二流体解析法に基づいたパイピング進行解析モデルを開発する.そして,浸透流と砂粒子の運動に伴うパイピング発達機構と,堤防破壊の危険性を高める力学的要因を明らかにするとともに,パイピング対策を提示し,その効果検証を行うものである.
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研究成果の概要 |
堤防下基盤層のパイピング進行を表現できる数値解析モデルの構築を行った.モデルについては,固液二相流,混相流の2パターンでの構築を試みた.二相流モデルについては安定した解析を実施することが困難であったが、混相流モデルについては、空隙拡大に伴う透水係数の変化等,現象再現上重要と考えられる要素を取り込むことで,互層構造や粒度分布の違いによる噴砂領域の拡大過程を概ね表現できることを確認した.ただし,完全な空隙領域を有するパイピングの形成については再現できなかった.これは,粒子の過剰な抜け出しに伴う骨格の破壊機構や,層流~乱流へと遷移する際の抵抗則を十分モデル化できていないことが要因であると推察される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
洪水外力の巨大化が著しい昨今において,最も重要な治水施設である堤防の破壊危険性を 科学的に推定し,堤防強化対策に生かすことのできる技術の確立が強く求められる.基盤漏水に伴う堤防パイピング破壊は,見えないところで徐々に進行する破壊現象であり,危険箇所の推定が困難である.本研究では,パイピング発達機構の理解,堤防破壊の危険性を高める要因推定,有効な対策の検討とその効果検証等に繋げるための1つのアプローチが提示されており社会的意義があると考えられる.また,単純な混相流モデルに,現象再現上重要と考えられる要素を取り込むことでパイピング進行を概ね表現できており,学術的知見も得られている.
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