研究課題/領域番号 |
20K14843
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐津川 功季 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40867347)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 動的交通量配分 / 粒子モデル / ゲーム理論 / 交通制御 / Nash均衡 / 安定性 / 出発時刻選択 / システム最適 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の情報通信技術の進展は個車単位での動的な交通制御を可能としつつある.一方,新技術を交通システムに望ましい形で適用するには,技術が個別利用者の交通行動とその総体であるネットワーク交通流に与える影響を解明する必要がある.本研究は,ゲーム理論を用いて新技術導入時の交通流を利用者の挙動変化から演繹的に解析し,合理的な交通システム設計の基礎理論を構築するそのために,個別利用者からなる交通流を表現する粒子モデルの拡張や交通流予測に有用な均衡状態の数理特性の解析を通して,ゲーム理論を活用した交通流解析理論を再構築する.そして,ケーススタディを行い理論の新技術評価における応用可能性を示す.
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研究成果の概要 |
近年発展が著しい新技術を交通システムに望ましい形で適用するには,技術が個別利用者の交通行動とその総体であるネットワーク交通流に与える影響を解明する必要がある.本研究は,ゲーム理論を用いて,新技術導入時の交通流を利用者の挙動から演繹的に解析する手法を構築した.解析の結果,混雑課金や信号制御スキーム導入下におけるネットワーク交通流の動学的特性(収束性や安定性)を明らかにするとともに,各制御スキームの有効性について重要な知見を得ることに成功した.この過程で,ネットワーク交通問題とゲーム理論で知見が蓄積されてきたクラスとの繋がりを明らかにし,厳密な理論・数値解析を行うための基盤を整えることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の特色は,ゲーム理論を通して,個別利用者のミクロな特性(交通選択行動)とネットワーク交通流のマクロな特性(均衡特性,交通性能)を繋ぐ点にある.交通工学で長年研究が進展してきた均衡理論を活用しつつ,新技術導入(例えば個車レベルの自律分散型制御)の影響評価をネットワークで行うための理論的基礎が構築される.さらに本研究は,個別利用者を取り扱う粒子モデルの,ネットワーク交通流の特性を理論的に解析する手段としての新たな可能性を提示している.加えて,本研究はゲーム理論や計算機科学などの分野と関係しており,これらに対して理論的・実践的課題を提示する点で,学術的波及効果も高い.
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