研究課題/領域番号 |
20K14845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥海 梓 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (00748460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 街路計画 / アクセス・マネジメント / 横断歩道 / 沿道出入 / 性能評価 / 歩行者 / ギャップ・アクセプタンス / 階層型道路ネットワーク / 停車 |
研究開始時の研究の概要 |
今後,自動運転車やシェアリングの普及を背景に,街中では「自動車からの路上または路外での乗降」が増加することが予想される.本研究ではこれに着目し,車が路上または路外で停車するのに要する時間や他車両や歩行者との交錯,停車した車から乗降する乗客の出発・目的地までの歩行距離等を考慮して,街路構造が停車・乗降のしやすさに与える影響を定量的に評価する方法を検討する.また,停車に伴う他車両や歩行者の遅れなどの影響を把握する.これらの結果をもとに,ミクロシミュレーションを行い,停車・乗降をさせる間隔や路線を制御することなどが,停車車両・乗降客,周囲の車両,歩行者といった多様な街路利用者に与える影響を比較する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,自動車からの路上または路外での乗降に着目し,路上または路外停車における円滑性,安全性や周囲の歩行者への影響を考慮した街路ネットワークの計画・設計手法を提案することである.2023年度は,停車のしやすさに加えて,乗客の発着地(商業施設等)から停車・乗降場所までの歩きやすさを併せて考慮した停車・乗降に対する街路の性能を評価する方法について検討を行った.具体的には,路外停車(路外と道路の出入)や路外停車に関する関連研究における歩行者(乗降客)のための道路横断施設や横断のしやすさに関する取扱いについて既往研究を再整理した.また,路外駐停車場の出入口や路上停車場(バス停を例として提示)と,乗降客が対岸の歩道に渡るための横断歩道の位置関係によって,停車するドライバーが感じる停車のしやすさや安全性がどのように変化するかについてのアンケート調査の分析を実施した.また,過年度までに構築した,路外出入する自動車と歩道を歩く歩行者の交錯の円滑性・安全性を再現可能なシミュレータに,横断歩行者の影響を追加する改良を行った.これにより,停車場から対岸の歩道への横断歩行者が存在する場合の路外出入のしやすさが評価可能となった.路外/路上の停車・乗降場近辺では,停車を行う自動車やその乗降客だけでなく,単に通過するだけの自動車,歩行者や横断歩行者が存在し,相互に影響を及ぼしあっている.そのため,路外/路上停車施設や横断歩道といった街路構成要素は,それぞれ単独ではなく,位置関係を考慮しながら組合せとして相互に及ぼす影響を評価し,適切に縦断構成や制御方法をデザインすることが重要であり,今年度の成果はその一端を担うものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は,路上停車挙動についてもシミュレータに組み込み,路上停車と路外停車のどちらが,どのような条件において,歩車それぞれにとって望ましいかといったシナリオ比較を行い,街路の機能に応じた停車の扱いを議論する予定であった.しかしながら,これまでに構築したシミュレータにおいて停車に伴う加減速挙動を適切に表現することが困難であり,路上停車挙動を組み込めていない状況である.このため,上記の通り自己評価した.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,使用するシミュレーションモデルの変更も視野に入れつつ,路上停車挙動のシミュレーション評価を完了させる.そのうえで,これまで単区間を対象としていた交通シミュレーションをより広域に拡張し,対象地域の乗客の発着地分布を考慮したうえで,街路ネットワークにおける停車・乗降のさせ方についてのシナリオ比較を行う.以上により,街路におけるアクセス・滞留機能の評価方法や街路ネットワークにおける停車・乗降場所の配置と望ましい街路構造について,得られた成果をとりまとめ,学会や学術誌等で成果の発表を行う.
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