研究課題/領域番号 |
20K14858
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 薬剤耐性遺伝子 / 塩素消毒 / 過酢酸消毒 / 過ギ酸消毒 / 薬剤耐性細菌 / 自然形質転換 / 消毒 |
研究開始時の研究の概要 |
水環境は、薬剤耐性細菌の発生と拡散のホットスポットであると考えられている。水環境中における薬剤耐性細菌への暴露によるヒト健康リスクはまだ十分に把握されていないことから、予防原則的立場から、水環境での暴露を最小限に抑えることが重要であると言える。水環境中に存在する細胞外DNA(環境DNA)には薬剤耐性遺伝子が含まれていることが報告されているが、水環境中で遺伝子機能性をどの程度維持できるのかは明らかになっていない。そこで本研究では、環境DNAによる細菌の自然形質転換効率を評価し、加えて環境DNA中の薬剤耐性遺伝子を不活性化するための消毒方法を開発することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究では塩素、過酢酸、過ギ酸を用いた簡易消毒による薬剤耐性遺伝子(ARGs)不活化効果の評価を目的として、モデルARGにアンピシリン(Amp)耐性遺伝子をコードしたプラスミドpUC19を用い、その簡易消毒処理による物理的破壊の可能性をPCRで検証するとともに、大腸菌への形質転換効率を求めることでARGsの不活化効果を比較・評価した。 遊離塩素は、1ppmの濃度でも時間依存性の高い消毒効果を示した。PAAおよびPFAの場合、不活化効率は初期濃度とともに増加し、時間依存性はほとんど無視できた。 pUC19プラスミドへの物理的損傷が主要な不活化メカニズムであった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果では、PAAおよびPFAの細胞外ARG不活化効率が遊離塩素に匹敵することを確認した。さらに、PAAとPFA消毒の場合塩素消毒で生成される有害な消毒副産物も生成されない。したがって、PAAとPFAは、薬剤耐性遺伝子の蔓延を最小限に抑えるために分散型施設で使用できる代替消毒剤と見なすことができる。厳格な薬剤消費規制なしに、低中所得国でさらに開発および使用することができます。 本技術は、さらに開発され、厳格な薬剤消費規制がない低中所得国で、使用される可能性がある。
|