研究課題/領域番号 |
20K14859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 下水由来フミン物質 / 未規制化学物質 / 細胞毒性試験 / トキシコゲノミクス / 蛍光分析 / 下水再利用 / 下水由来溶存有機物 / 複合毒性 / qPCR / QCM / EEM / 機械学習 / 細胞毒性 / 微量汚染物質 / 遺伝子発現解析 / インラインLC-EEM |
研究開始時の研究の概要 |
下水再利用における未規制化学物質の制御・監視は世界共通の課題である。本研究では,下水再利用システムの信頼性向上に現実的な解決策(制御・監視対象となる微量化学物質の優先づけ)を提供するため必要な知見を得ることを目的として(1)下水由来フミン物質の特性解析とヒト細胞への作用機構の解明,(2)下水由来毒性物質群の即時モニタリング指標の開発,を行う。 ヒト細胞の網羅的遺伝子発現解析に基づく高感度かつ包括的な毒性影響評価に基づき,毒性作用との関連する下水由来フミン物質の物理化学的特性と作用機構を明らかにする。また,蛍光特性に基づき,毒性作用の原因物質を簡便かつ迅速に検出可能な管理指標の開発を行う。
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研究成果の概要 |
水の循環利用における未規制化学物質の制御・監視は世界共通の課題である.本研究では,下水再利用システムにおいて優先的に制御・監視すべき微量化学物質に関する情報を得ることを目的として,①下水由来フミン物質と微量化学物質の相互作用の解明,②下水由来毒性物質群の監視指標の開発に取り組んだ.遺伝子発現解析と吸着量評価の併用により,下水由来フミン物質のうち塩基性の画分が,ステロイドホルモン物質と反応し毒性影響を低減あるいは増加させる能力を有することが明らかとなった.また,蛍光分析データの多変量解析により,2万Da以下のサイズを有する蛍光物質が下水由来毒性物質群の指標と なりうる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下水処理水は,処理過程で生じる副生成物・代謝物,微生物由来の溶解性有機物,水道水由来の自然有機物等が織り成す複雑な処理水マトリクスを構成している.本研究の知見は,下水再利用システムにおいて制御・監視すべき微量汚染物質を絞り込むために有用である.また,対象物質が明らかになれば,これらに対し有効な高度処理技術の開発にも着手できる.一方で,処理水マトリクスには多くの自然由来有機物が含まれていることから,吸着特性データは,自然の水環境中での微量汚染物質の挙動や毒性影響を研究する上でも役立つ.
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