研究課題/領域番号 |
20K14878
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
倉富 洋 福岡大学, 工学部, 助教 (50709623)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CLT / ラグスクリューボルト / 鉄骨造 / せん断パネル / ヨーロッパ型降伏理論式 / 混合構造 / 合成梁 / 制振壁 / 鉄骨梁 / 木質床 / クロス・ラミネイティド・ティンバー / 間柱型制振装置 / 木質複合構造 / 押抜きせん断実験 / せん断性能 / 異種接合 / 構造実験 |
研究開始時の研究の概要 |
現在のわが国では,戦後植林された人工林が木質材料として使用可能となり,国産木材の需要拡大が求められている。本研究では,柱梁鉄骨造の床・壁を木質化するにあたり,鉄骨部材と木質部材間の汎用性の高い接合部開発を意図して,ラグスクリューボルト(以下,LSBと略記)を使用した新しい接合方法を開発する。そのために,まずLSBのせん断性能を把握する押抜きせん断実験を実施する。次いで,鉄骨梁と木質床を一体化させた合成梁の曲げ実験および,制振パネルを組み込んだ木質壁のせん断実験を実施し,柱梁鉄骨造の床・壁の木質化へ向けた実現可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
現在のわが国では,国産木材の需要を拡大していくことが求められており,クロス・ラミネイティド・ティンバー(CLT)の活用が注目を集めている。鋼構造オフィスビルなどの大規模建築物にCLTを構造材料として使用する際,接合部仕様の検討が重要である。本研究では,ラグスクリューボルト(LSB)を用いた機械式接合を提案することで,高剛性・高耐力を有する接合方法を提案した。接合方法は,工場でLSBをCLTに埋め込み,現場で六角ボルトにて鉄骨部材と緊結するため,簡便な方法で行える。本研究課題では,LSB接合におけるせん断耐力を調べ,本接合を適用した床・壁の木質化への適用可能性を実験的に提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,LSBをせん断抵抗させた際の挙動を実験的に調べ,LSB一本当たりの降伏せん断耐力評価法を提案した。CLTは面材として床や壁への使用が効果的である。床への適用に際して,鉄骨梁との合成梁効果を調べるために曲げ実験を実施し,純鉄骨梁に対して曲げ耐力および曲げ剛性を向上できることを示した。また,間柱型せん断パネルの架台をCLTに置換することを検討し,その接合部にLSBを使用する構法を提案した。いずれも良好な実験結果が得られており,今後,鋼構造オフィスビルなどの床や壁を木質化する際に有益な研究成果となるものと考えられる。
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