研究課題/領域番号 |
20K14894
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 九州大学 (2022) 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) (2020-2021) |
研究代表者 |
有馬 雄祐 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (80830041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 家 / 主観的幸福 / ウェルビーイング / 健康 / 住居満足度 / 住環境評価 / 家が関連する主観的幸福 / ポジティブ心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
人は1日の半分以上の時間を住宅内で過ごしているため、家を契機とする主観的経験(家の主観的幸福)が人生全般の幸福へ与える影響は少なくないと推察される。居住者の幸福に寄与する住環境の創出を目指す上で、家の主観的幸福を考慮した住環境評価手法の確立は不可欠な課題である。近年、ウェルビーイング概念の下で主観的幸福の測定手法が確立されつつある。本研究では、ウェルビーイング概念に関する知見や理論を基に、家に居る際の幸福感や、家がもたらす自尊心などの家を契機とする主観的幸福を測定するための尺度を開発する。また、作成した尺度を基に、家の主観的幸福の各側面に寄与する家の物理的側面や暮らし方を体系的に把握する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、経済協力開発機構による主観的幸福度(SWB)の定義を基に、「家の満足」「家での感情」「家がもたらすエウダイモニア」の3領域を想定した家が関連する主観的幸福(家のSWB)尺度の開発である。文献調査やアンケート調査を基に家のSWBの構成概念や測定形式を検討し、家のSWB尺度を開発した。想定した家のSWBの3因子モデルは統計的に高い適合度がある。家のSWBを関連要因で分析して、家のSWBは各領域で決定要因が異なる事や人生全般のSWBへの影響を明らかにした。開発された家のSWB尺度により、従来の住環境評価手法では測定が困難である居住者のSWBに寄与する住環境の要因の分析が可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のウェルビーイング研究の知見を住環境評価に応用する萌芽的な試みとして、家のSWBの構成概念を検討し、家のSWB尺度を開発した。開発した尺度は住環境評価で使用でき、家のSWBに関する基礎的な知見は家のSWBを測定する他の研究にも有用である。「住居満足」を指標とする従来手法では、「広さ」など認知的な側面に影響が強い要因の重要性が過大評価され、「共有スペース」など感情やエウダイモニアに寄与する要因が過小評価される事が明らかにされた。本研究で家の主観的幸福の測定手法が確立され、認知的な「住居満足」のみでは測定が困難であった居住者のウェルビーイングに寄与する多様な住環境の要因の分析が可能になった。
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