研究課題/領域番号 |
20K14906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
白石 レイ 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授(テニュアトラック) (20847321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 組合所有 / 社会住宅 / 非営利住宅 / コーポラティブ / 開発 / スイス / チューリッヒ / 参加 / 非営利 / 住宅政策 / マネジメント / 量的供給 / 都市更新 / 組合所有住宅 / housing cooperatives |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、都市のストック更新において取り残されやすい社会・経済的に脆弱な人々のための集合住宅計画に関して、非・限定営利目的の集合住宅供給が質的・量的に展開されている西欧の先進事例より基礎的知見を得ようとするものである。具体的には、まず社会住宅や参加型住宅をめぐる様々な住宅計画形式の定義・概念の国際比較を行う。次に近年顕著な発展を見せる公共・非営利団体による組合所有住宅計画、非・限定営利団体による建築家企画型プロセス参加住宅計画を研究対象とし、質の高い非・限定営利住宅が都市的に展開されるための、政策的・社会的・都市建築的要件を抽出する。
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研究成果の概要 |
本研究では、主に近年リバイバルが起こっているスイス・チューリッヒ市における組合所有住宅を対象に、7千件の組合所有住宅建物の地理情報の分析から、組合所有住宅開発の経年的・地理的な特徴を明らかにした。また、240事例(2.7万戸:総数の66%)についての土地利用の変化、うち計画詳細についての情報が得られた58事例(7.8千戸:総数の29%)についての計画コンセプト、複合機能の分析から、各住宅地の計画傾向を明らかにした。最後に、近年の事例の中でも、特徴の異なる挑戦的な3事例を選定し、事業経緯・従前土地利用、居住者属性、所有・融資、住棟・住戸デザイン、複合施設について事例分析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、政府の支援のもと組合所有住宅開発がマスに行われているスイス・チューリッヒ市において、非・限定営利目的の組合所有住宅供給が、個々の住宅地の建築・コミュニティの質を向上させ得る事実、およびそれらが量的に都市へ展開されていく要件を明らかにすることができた。本論の成果は、戦後の住宅ストック更新、特に老朽化した区分所有型の団地における建て替え時の住民の合意形成困難が大きな課題となっている我が国において、住戸の完全な個人所有によるコントロール不可能な住宅地の在り方を見直し、持続的かつ全体的にマネジメント可能な住宅地計画手法を議論する際に、世界の先進事例として十分に参照することができる。
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