研究課題/領域番号 |
20K14914
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
門倉 博之 東北学院大学, 工学部, 准教授 (50805497)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 階段室 / 滞留伝播 / 高層ビル / 全館避難 / 避難者歩行特性 / 階段室内滞留 / 避難シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高層ビルにおける全館避難時の階段室内の混雑現象として,階段室内の滞留発生と伝播のメカニズムを明らかにすることを目的とする。そのため,本研究計画では,高層事務所ビルの全館避難訓練にて,実測調査を行い,①階段室内における滞留発生と伝播条件の分析,歩行者デッドレコニング測定手法による②階段室内降下時の避難者の歩行特性の分析結果をもとに,避難計画の検証に資するため,③避難シミュレーション実装のための滞留伝播のモデル化を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,高層ビルにおける全館避難時の階段室内の混雑現象として,階段室内の滞留発生と伝播のメカニズムを明らかにすることにより,避難時の混雑軽減手法を確立することである。2023年度の研究計画として,①階段室内における滞留発生と伝播条件の分析,②歩行者デッドレコニング測定手法による階段室内降下時の避難者の歩行特性の分析,③避難シミュレーション実装のための滞留伝播のモデル化を計画した。しかしながら,2022年度に続き,2023年度においても,新型コロナウィルスの影響により,高層事務所ビルの全館避難訓練への参加が中止となった。そのため,これまで得られた避難者の歩行特性を基に,滞留伝播の条件について整理し,避難シミュレーションへの実装を試みた。これまでの分析結果から,踊り場から段部降下時の減速が滞留発生のきっかけとなることが推察されることから,②歩行者デッドレコニング測定手法による階段室内降下時の避難者の歩行特性の分析として,引き続き,部分的な流動実験を行った。流動実験では,被験者を2名1列に配置した状態で階段を5階層降下するものとした。視線計測装置と加速度センサーを用いて,視線方向と歩行速度を計測し,滞留発生の要因となる基礎データの取得を行った。混雑状況を想定し,被験者間を近づけた際には,特に踊り場と段部間の歩行時において,視線による足元や周囲の状況把握がみられ,滞留発生の一因となり得る予期的な歩行速度の調整が行われていることが示唆された。また,前年度までの研究成果である被験者前後の距離と歩行速度の関係について,③避難シミュレーションへの実装も試みた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に続き,新型コロナウィルスの影響により,予定されていた高層事務所ビルの全館避難訓練への参加が中止となり,また,被験者による群集流動実験が行えない状況となった。そのため,部分的な流動実験を行い,階段降下時の歩行特性について分析を行うこととした。これにより,「やや遅れている」と判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度においても,新型コロナウィルスの影響により,25階建て高層事務所ビルの全館避難訓練への参加中止となった場合には,①階段室内における流動実験,②避難シミュレーション実装のためのモデル化を以下のように行う。①歩行者デッドレコニング測定手法による階段室内降下時の避難者の歩行特性の分析については,これまで得られた部分的な流動実験結果をもとに,5階層程度の階段を降下する流動実験として,混雑状態を再現すべく,被験者を10数名程度1列に配置した状態で,階段踊り場を歩行し,前後の距離と歩行速度の関係を明らかにする。②避難シミュレーション実装のための滞留伝播のモデル化については,これまで得られた避難者の歩行特性を基に,避難シミュレーションへの実装を試みる。
|