研究課題/領域番号 |
20K14956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小田切 公秀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (50866481)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 伝熱工学 / 多孔質体 / 核沸騰 / 気液二相流 / 低熱流束 / ループヒートパイプ / 多孔体核沸騰 / 気液相変化 / キャピラリーポンプループ |
研究開始時の研究の概要 |
熱的リソースが限られる遠方天体探査においては、分散して存在する低発熱密度機器の熱エネルギー有効利用がミッション成立に必要不可欠である。本研究の目的は、毛細管駆動熱流動系における核沸騰素過程および濡れ制御特性を明らかにし、将来宇宙ミッションを高次に実現する「超低熱流束ループヒートパイプ設計理論」を確立することである。本研究は、マイクロスケール多孔体内の核生成挙動および核沸騰気液界面挙動の可視観察、多孔体界面熱輸送を含む熱流動解析によって研究目的を達成する。さらに微細構造表面の濡れ制御により、低熱流束条件において核沸騰熱伝達を促進する構造を明らかにする。
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研究成果の概要 |
毛細管力駆動の多孔質体熱流動系における核沸騰現象および濡れ制御特性を明らかにし,0.01 W/cm2級の低熱流束条件で動作可能な,超低熱流束ループヒートパイプ(LHP)技術の確立を本研究の目的とする。マイクロスケール赤外・可視観察装置および,顕微ハイスピード観察装置を用いて多孔体核沸騰現象観察を行い,加熱部の濡れ性が熱伝達係数に及ぼす影響,低熱流束条件で高い熱伝達性能が得られる多孔質体形状を明らかにした。本知見に基づき低熱流束LHPを設計・製作・評価し,最小熱流束0.02 W/cm2と従来技術に対して極めて低い熱流束条件での動作実証に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蒸発器内部で生じる毛細管力駆動の多孔質熱流動現象は,LHP性能に大きく影響を与えるため,そのメカニズムを明らかにすることは重要である。特に知見の不足していた,濡れ性制御が熱伝達係数に与える影響,低熱流束条件での高熱伝達構造,気泡核生成過程について可視化によって理解を深めた点で,本研究成果は学術的意義がある。また高効率な低熱流束LHPの技術実証は,将来の宇宙科学・探査ミッションの熱設計自由度向上に資する。さらに本成果は宇宙機および地上用機器の熱制御技術に幅広く活用することが可能であり,社会的意義は大きい。
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