研究課題/領域番号 |
20K14979
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
川口 英明 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任講師 (30813969)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 量子アニーリング / ヘルスサービスリサーチ / 空間統計学 / 空間統計 |
研究開始時の研究の概要 |
医療提供体制確保のためには医療資源配置の適正化が必要であり、実データに則した最適配置を直接的に算出できれば、より適切な政策立案につながることが期待される。本研究では、医療資源配置最適化問題を制約条件付き組合せ最適化問題と捉え、量子アニーリングを用いて医療資源配置最適化シミュレーションを行う。方法としては、以下の手順で行う。1. 医療資源の地域単位の集計データを生成する。 2.空間統計を用いハミルトニアンを設計する。 3.シミュレーテッドアニーリングによる予備的実験を行う。 4.量子アニーリングを実行する。 5.最適化候補解の評価を行う。
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研究成果の概要 |
医療資源データを用い設計したハミルトニアンに対し量子アニーリングを実行し、医療資源の最適配置を示す色塗り分け地図を作成した。また、得られた色塗分け地図の通りに医療資源を変化させると、各地域の健康状況にどのように影響するのかを検証した。隣接条件を設定した上で量子アニーリングを実行することで、医療資源が少ない地域に優先順位が高い色を割り当てつつ、同じ色がなるべく隣り合わないよう分散した塗分け図を得ることができた。さらに、量子アニーリングの結果得られた塗分け図に従って、精神科医・心療内科医数を増減させることで、自殺死亡率の地域差を減少させ、かつ全体の平均値を低下させることができると確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、医療政策のシミュレーション研究における量子アニーリングの応用事例として、国内外で先進的な知見をもたらす成果である。本研究成果から、量子アニーリングの結果得られた塗分け図に従って、医療資源を増減させることで、各疾患の健康状況の地域差を減少させる可能性が得られた一方、十分に地域差を解消するためには、相当数の医療資源数の増減が必要であることも確認された。医療資源数の増減のみでは十分な健康格差の解消につながらない可能性が想定されたため、各地域の特性に合わせた運用も同時に重要である可能性が考えられた。
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