研究課題/領域番号 |
20K15001
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 芳樹 東京大学, 空間情報科学研究センター, 講師 (70794296)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マルチエージェントモデル / 深層強化学習 / サプライチェーン / 災害復旧 / 行動戦略 / エージェントモデル / 多目的最適化 / 復興戦略 / 企業間取引データ / 建物被害推定 / 南海トラフ地震津波 / エージェントベースモデル / デジタルツイン / 経済被害波及 / 復興計画 |
研究開始時の研究の概要 |
自然災害後の復旧計画は企業活動の早期復旧を実現するための重要なファクターである。しかし,サプライチェーンネットワークにおける経済被害が深刻化するメカニズムと発災後の復旧までの最適な行動戦略の獲得の方法は検討されていない。本研究では企業間取引ビッグデータを用いて発災後のサプライチェーンを通じた経済被害波及を明らかにし,各企業が復旧戦略を獲得するためのマルチエージェント深層強化学習を用いた手法を提案する。本手法により,従来不可能であった個々の企業単位の被害波及メカニズムの把握と復旧時期に応じた最適な行動戦略の獲得を可能にする。
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研究成果の概要 |
災害時のサプライチェーン寸断から復旧までの現象をモデル化するために,個別企業レベルのマルチエージェントシミュレーションモデルを提案した.従来では把握できなかった個別企業の状況及びサプライチェーンの産業構造の変化を把握することが可能になった.さらに,このエージェントモデルをもとに強化学習の手法を用いて,企業エージェントが人間のように知能を持って行動ができるように,企業が自ら最適な行動戦略を獲得する学習フレームを開発した.これにより,現実に近いシミュレーションが可能になり,実際の災害後のサプライチェーンの時系列変化を分析を可能とした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地震・津波災害を対象とした経済的な被害予測に関する計算技術はこれまでも見られたが,日本全国の各企業をサプライチェーンネットワーク全体で防災工学・数理経済学に基づき計算し,その結果を用いて,企業の行動戦略を復旧状況に応じて最適化しようとする手法は,これまでに前例がない。したがって,個別企業のサプライチェーンに関するビックデータを用いて数理モデルと深層強化学習で精緻なシミュレーションモデルを目指す点で本研究成果の学術的意義は大きく、今後本研究が進展し、手法が確立することで洪水などの水害などへの応用も可能になり社会的波及効果も期待できる。
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